翌朝、起きてLINEを開いた。
なのとのメッセージには既読がついてなかった。
なのはLINEをよく見る方ではないけど未読無視するタイプではない。
それに夜に送ったメッセージ、遅くとも朝には返信してくれてるもんな……。
"昨日の文章なにかおかしかった……?"
あ……。
わたしはひとつの仮説に辿り着いた。
ううん。私にはそれしか考えられなかった。
――なのはあきのことが好きなんじゃない?――
もし……というかその説が一番濃厚なんだけど……
本当にこの説が合っていたら……?
相当嫌な人間だよ?わたし
――謝ろう――
いつもより家を早く出てなのの家へ向かうことにした。
行ってらっしゃい。そんな声は聞こえるわけもなかったが。
なんて言ってる数十秒でなのの家に着いた。
意を決してなのの家のインターホンを押すことにした。
――ピーンポーンピーンポーン――
……どうしよう避けられてるよ……。
なのとはクラスも違うしな学校ではなかなか話しかけれないよな……。
放課後もう一回家に行こう……。
うん……そうしないといけないよね……!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!