第4話

ー彼女の授業。ー
153
2021/06/23 06:03
『サユ』は散らばったモップと鉄バットに囲まれ、
横たわっていた





遠くから足音が聞こえると『サユ』はゆっくりと
起き上がった







先生
先生
『サユ』?
何してんだ、ちゃんと片付けるんだぞ
せっかく岸本たちが掃除したのに
散らかすなよ




先生は舌打ちをしそれだけを言うとまた、どこかへと行ってしまった








『サユ』
『サユ』
はい。






『サユ』は立ち上がり散らばったモップやバットを片付け自分の席へと戻り、座った









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実証実験から10ヶ月。



この日、『サユ』が声を上げた





『サユ』
『サユ』
先生、今日は私に授業させてください
先生
先生
勝手に何を言い出すんだ?
『サユ』
『サユ』
上からの命令が降りました
先生
先生
ッチ………








先生は舌打ちすると教壇から降り窓際へと移動した











『サユ』
『サユ』
今日は私が皆さんの疑問を一つ一つ
答えていきます。
それでは、河井さんからどうぞ
河井
河井
え?
えっとじゃあ、なんで学校の校則があるのか
『サユ』
『サユ』
分かりました。





『サユ』は次々と質問に答えていき、的確な答えを導いていった







彼女は皆が知らないうちに多くの情報を取り込んでいたのだ。






『サユ』
『サユ』
それでは最後に岸本さん。
質問はなんですか?


岸本はしばらく考え、ふと笑みを浮かべた
岸本
岸本
じゃーあ、あなたに愛は分かりますかぁ?


今度は『サユ』が数十秒考えていた





『サユ』
『サユ』
そうですね。
いい質問です。
そう言うと『サユ』は白チョークを右手に持ち黒板に「愛」と書いた。




『サユ』
『サユ』
岸本さんは誰かに愛されていると、この世に愛はあると思いますか?
岸本
岸本
は?あるに決まってんだろ(笑)
あんたと違って。
それにそんなもん無かったらここにいる
みんな存在してないから
『サユ』
『サユ』
岸本さん?
この世に……
『サユ』は赤チョークを右手に持った
『サユ』
『サユ』
愛はないんですよ?





そう言うと黒板の「愛」の文字に×印を書いた。






『サユ』の言葉と行動にクラス中がざわめいた。

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