プリ小説

第7話

過去4
刺される直前、階段から紫耀が駆けつけてくるのをみた。


紫耀だ!




ドスッ
紗香
紗香
……
田辺
田辺
しねぇぇぇ!
グサッ、グサッ
紗香
紗香
ゴフッ…ぁ…
平野紫耀
紗香ーーーー!
紫耀のいる階段から私の場所まで、かなりの距離があった。


私を見て全速力で来てくれていたけれど、到着するよりも私が刺される方が早かった。


数カ所を刺され、真っ白なワンピースが真っ赤に変色してしまっている。


田辺
田辺
がっ…!
紫耀は田辺を拘束した。


その様子を見ていた私は、安心したのか体の力が抜けていく。
紗香
紗香
(ぐらぁ)
ドサッ


紫耀は急いで手錠をかけたけれど、人が倒れるような音がして振り向くと、紗香がぐったりと倒れていた。


そして、みるみるうちに地面に血が広がっていく。
平野紫耀
紗香!
すぐに私を抱き上げてくれた。


紫耀の膝の上で、うっすらと目を開ける。


そこには珍しく涙を流す紫耀の姿があった。
紗香
紗香
しょ……ぅ…
声が出ない。


ヒュー、ヒューと空気の抜ける音がする。
紗香
紗香
うぁ…っ…
ごぼり、と血の塊が私の口から吐き出された。


血を、流し、すぎた。
平野紫耀
紗香!しっかりしろ!
紗香
紗香
は、ぁ…はぁ…
震える手で紫耀の頬に触れる。


ああ、もう眠いよ
平野紫耀
ごめんっ…遅くなって、ごめんなっ…
ううん、紫耀はちゃんと来てくれたよ


声はもう出なくなった。


遠のいていく意識の中で、死の覚悟をした私は紫耀の声や温もりをしっかり焼き付けた。
平野紫耀
紗香?…紗香!
紫耀はだんだん閉じられていく紗香の瞳を必死にとじらせまいと声をかけるが、反応が完全になくなった。


首ががくりと傾き、ぐったりとした紗香の体が冷たくなっていくような気がした。

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ハナ🐰
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