ゲームはセーブをすることでたとえゲームオーバーになったとしてもいつでもその時に戻ってこられる
七番様はニカッと笑う
そうして私は七番様に礼を告げて、学校を後にした
私はスマホだらけのボックスの中から中学生の頃の端末を見つけることが出来た
ひとつの端末に複数のセーブデータは記憶出来ないからね
ほら、セーブデータにも上限ってものがあるでしょ?そんなところ
怪異になる前からこの力は持っていたので中学一年生の頃から昨日までの記録がある
そりゃものすごい数にもなるんだよな…()
かと言って大切なデータを消すことは出来ないのでそのままにしてある
タイトルは「UNTITLED」…名前をしっかり決めていないってことは、きっと源先輩との思い出のデータなんだろうな
今の時間は放課後、多分生徒会の仕事でまだ学校にはいるはず
私は覚悟を決めて、セーブデータの書かれたスマホをタップした
まさかのここからスタートだなんて
とりあえず生徒会室まで行こう
なんて思っていると
話しかけてきた人は
私が今会いたい、彼だった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。