第33話

第『二十九』の怪 - UNTITLED
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2022/12/07 09:00
貴方
貴方
中学生の頃の…?
花子くん
花子くん
うん
あの先輩との思い出、セーブしてるでしょ?
ゲームはセーブをすることでたとえゲームオーバーになったとしてもいつでもその時に戻ってこられる
貴方
貴方
…残ってる
貴方
貴方
その端末を使って、あの時に戻れば……
花子くん
花子くん
そういうこと
七番様はニカッと笑う
花子くん
花子くん
気持ちだけでも伝えてきたら?
花子くん
花子くん
きっと、楽になると思うよ
貴方
貴方
……
貴方
貴方
ありがとう、七番様
そうして私は七番様に礼を告げて、学校を後にした














貴方
貴方
…あった
私はスマホだらけのボックスの中から中学生の頃の端末を見つけることが出来た
ひとつの端末に複数のセーブデータは記憶出来ないからね
ほら、セーブデータにも上限ってものがあるでしょ?そんなところ
貴方
貴方
にしても…多すぎない?
怪異になる前からこの力は持っていたので中学一年生の頃から昨日までの記録がある
そりゃものすごい数にもなるんだよな…()
かと言って大切なデータを消すことは出来ないのでそのままにしてある
貴方
貴方
あ、これだな
タイトルは「UNTITLED」…名前をしっかり決めていないってことは、きっと源先輩との思い出のデータなんだろうな
今の時間は放課後、多分生徒会の仕事でまだ学校にはいるはず
貴方
貴方
…よし、行ってみよう
私は覚悟を決めて、セーブデータの書かれたスマホをタップした
















貴方
貴方
(ここ……門か)
まさかのここからスタートだなんて
とりあえず生徒会室まで行こう
なんて思っていると
??
…終夜さん?
貴方
貴方
え?
貴方
貴方
あっ………
話しかけてきた人は
源先輩
源先輩
良かったら、一緒に帰らない?
私が今会いたい、彼だった

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