第2話

死にたがり少女
ごぽっ・・・。
耳に水が入る、口から酸素が漏れ出る
太宰に教えて貰った此の死に方、上手く出来てるかなぁ・・・。
沈みゆく、己を感じながら、見覚えの有る男の表情が脳裏に浮かんだ。






火針「・・・はぁ。」

目が覚めて、一番に出るのは、何時も、溜め息。

火針「・・・中也、起きろ!」

この上無い程の不服感を感じながらそう告げると、薄目を開けたと思えば、直ぐ様私を認知したと同時に、跳ねる様に起き上がり、私の顔をペタペタと触り、ボロボロ涙を流した。
途切れ途切れに「佳かった、佳かった」 何て、助けたのはお前だろこの善良マフィア。
別に、私は君と付き合っていないんだが。分かってるのか?其れ。・・・心中なら大歓迎だけど、そうでも無いだろアンタは。顔面偏差値の暴力振ってくんの取り敢えず辞めろ。

火針「何で、助けたのさ」

実質、太宰にアドバイスされた自殺法を試そうとしたが、毎度中也に阻止され、挙げ句の果て、一番嫌だった入水迄したのに、此れ又止められ。
太宰にはする気無いんだろうな、何て考えていると

中也「・・・何、莫迦みてェな事・・・云ってンだよ・・・」

火針「・・・死にたくなけりゃあんな事しない。」
キッパリと、否、堂々と?そう口から流れ出た。罪悪感などは一切無い。君の相棒でも無いし、ましてや恋人でも無いのだから、私が何処で死のうが勝手では無かろうか。

火針「が死ねば、と云う足枷が無くなる。君、大層の事嫌ってたじゃないか。」

ツンデレ、天の邪鬼、意気地無し。

火針「ねぇ、君と出逢って二ヶ月の経った今日が命日が佳かった。どうして君は其処迄・・・」

と、其の時。

太宰「・・・バア。」

火針「おぉ!太宰じゃないか。私の御見舞い!?」

太宰「やあ火針ちゃん!今日は災難だったね!」

我が同士、盟友、理解者!
中也は相も変わらず嫌そうな顔をしている。

火針「中也、私の友人が来たのだからもう少し表情を変えてくれ」

中也「百歩譲って此奴が手前の友人だとしても俺は此奴だけは許さ無ェ」

本当に嫌いだな・・・、然し、次の自殺法はどうするか

太宰「まあ、こんな病室に籠っていても暇だろう?一緒に外に行かないかい?」

火針「是非是非!じゃ、そういう事だから!」

中也「ちょっ、手前なぁ・・・!!」

私が何処に行こうと、私の勝手なのに。






太宰「・・・・・・・・・中也、未だ云えてないんだァ」

中也「・・・煩ェ」

太宰「早く云った方が佳いよ、彼女の事・・・」

中也「ンな事ァ分かってる」












私は知らない。覚えていない。
数年前の記憶さえ、全て、消えてしまったから。