気晴らしに散歩でも行くか。
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タッタッタッ
屋根の上を走り軽いアスレチックをする。
フワッ…スタッ
時々地面に着地して、また上にのぼって、走って、跳んで、
爽快感で頭を満たす
この辺は人が少ないから自由に動ける
まぁ見られたとしても「t〇ktokの撮影してます」なんて言えば何とかなるし。
なんかしら溜まった時はいつもここで運動する
まぁ…訓練みたいなものやな
タッタッタッタッ…フワッ…スタッ…
着地して、少し歩く。今日はこの辺にしておこうと思った。
曲がり角を曲がった時、目の前に自分より小さく、美しい男がいた
またか。
また夢か…?
思い切り自分の顔を殴る
痛い。
ちゃんと痛い。
少しほっとしてしまったのは__まぁ気のせいだろう
俺に近づき、触っていいのか分からないのか手を上げ下げしてオロオロしとる。
…やっぱりこいつはあほや
用はないって言ったやろが
……なんや
俺は興味無さそうに歩き出した
グルッペンは親についてまわる小鳥のように俺の後ろを着いてきた
時々横に並んで、話しかけてくる
それがなんとも…目障りで
思わず怒鳴ってしまった
グルッペンは悲しそうに弱々しくそういった
あぁ。こいつは本当に、
子供のようで、無視できなくなる
正直驚いた
こんなに弱々しいのか、
まるで本当に5歳児のようだ
夢とはまるで違うグルッペン。
こいつに好奇心を持ってしまったのは…
信じたくないが事実ではある
え??阿呆??
こいつ…本当にだいじょうぶか???
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!