第6話

給料
265
2021/06/09 07:07
トントン
…やな気分になったな…
気晴らしに散歩でも行くか。
ーーーーーーーーーーーーーーー
タッタッタッ
屋根の上を走り軽いアスレチックをする。
フワッ…スタッ
時々地面に着地して、また上にのぼって、走って、跳んで、
爽快感で頭を満たす
この辺は人が少ないから自由に動ける
まぁ見られたとしても「t〇ktokの撮影してます」なんて言えば何とかなるし。
なんかしら溜まった時はいつもここで運動する
まぁ…訓練みたいなものやな
タッタッタッタッ…フワッ…スタッ…
トントン
…ふぅ
着地して、少し歩く。今日はこの辺にしておこうと思った。
曲がり角を曲がった時、目の前に自分より小さく、美しい男がいた
またか。
グルッぺン
何度見ても凄いな!
トントン
なんでお前おんねん
また夢か…?
グルッぺン
何回みてもお前が飛び降りる姿が美しくてな!
グルッぺン
まるで翼がついてるようだ!
トントン
それはどうも。
グルッぺン
…?今日はやけに素直だな
トントン
…(ドガッ)
思い切り自分の顔を殴る
痛い。
ちゃんと痛い。
少しほっとしてしまったのは__まぁ気のせいだろう
グルッぺン
!?
グルッぺン
な、何をやっているんだ!?痣ができたゾ!?(オロオロ)
俺に近づき、触っていいのか分からないのか手を上げ下げしてオロオロしとる。
…やっぱりこいつはあほや
トントン
心配無用。これくらいどってことないわ
グルッぺン
そ、そうなのか…??
トントン
…んで?何用や?
グルッぺン
んー…特に用はない!
トントン
そか、んじゃ
グルッぺン
ちょっと待て!
用はないって言ったやろが
グルッぺン
あるんや!
……なんや
グルッぺン
ちょ、ちゃんと声出してくれん?w
トントン
心の声聞こえるんやろ?
グルッぺン
俺の能力も曖昧でな、時々ノイズが入るんだ
トントン
ふーん
俺は興味無さそうに歩き出した
グルッペンは親についてまわる小鳥のように俺の後ろを着いてきた
時々横に並んで、話しかけてくる
それがなんとも…目障りで
思わず怒鳴ってしまった
トントン
何やねんお前!!
グルッぺン
(ビクッ)
トントン
着いてくんなや!用があるならさっさといえ!
グルッぺン
…お前を…仲間にしたい…んだゾ…
グルッペンは悲しそうに弱々しくそういった
あぁ。こいつは本当に、
子供のようで、無視できなくなる
グルッぺン
俺…実は…次期総統になるんやけど…
グルッぺン
俺のな?言うことが間違ってるって…みんな言うねん
グルッぺン
それで…お前は頭もいいし、冷静だし、強いだろ??
グルッぺン
だから…書記長になってくれないかなって…俺のサポートをしてくれないかなって…
正直驚いた
こんなに弱々しいのか、
まるで本当に5歳児のようだ
グルッぺン
…ダメ…か?
夢とはまるで違うグルッペン。
こいつに好奇心を持ってしまったのは…
信じたくないが事実ではある
トントン
給料は?
グルッぺン
給料…?
トントン
え?
グルッぺン
…いる?
トントン
当たり前やろ!どんなブラックやねん!
グルッぺン
んー…月給…10…?
トントン
え、10万…?
グルッぺン
いや、10億
トントン
……………………………(思考停止中)
トントン
え?ちょ、もっかい
グルッぺン
え、だから、10億
トントン
…は?w
え??阿呆??
グルッぺン
えったらんの?…んーじゃあ…20億はどうや?
トントン
いやそんな要らんねん…
こいつ…本当にだいじょうぶか???

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