第7話

到着
218
2021/03/23 19:21
「んーー!!かぁぁあ!はんっ!」
「、、、若い娘がおっさんみたいな伸び、すんじゃないよ」

あなたは両手を空に背筋を伸ばし曲げて盛大な伸びと気合いをいれた。が黒尾に突っ込まれる

「だって完全回復したんですもん!やっと着いたし!」
「オジョーサンずっと寝てたけどね」



「てゆうか、すっごい学校広いし、木が沢山ある!自然だ!すっごぉ〜」

「無視かい」

「あれ?研磨どこいきました??」

黒尾の2度目のツッコミを華麗にスルーしつつ
自分の話にもっていく
黒尾は呆れた顔をした。

「あー、研磨なら顔洗いに先に行くって言ってたぞ。」

研磨の荷物を片手に応える夜久

「私ずっとくっついてたから暑かったのかな、タオル持ってないと思うんで研磨探してきます!」

「あ、おいあなた!お前ここ初めてでわかんねぇだろ…って早いな」


「まぁいいだろ。どーせまた合流する」


「てか、研磨もここ到着してから顔が真っ赤だったな。理由が分からんでもないが」


「なぁ〜に、その保護者みたいな微笑みは」

「研磨もそういう年頃かと思って。ちょっと感動。」

「夜久も気づいたか…やっぱり研磨そうだよな」

「なんだその不服そうな顔は!もっと喜べよ研磨の成長を!」



















「……微妙なところだ」



「ん?なんて言った?」


研磨の母親のように喜ぶ夜久とは正反対に
素直に喜べない黒尾
最後の返答は夜久の耳には届かなかった


「おーい!2人とも遅いぞー!」

海の呼び掛けで話が途切れ、自信が置いていかれていることに気づく2人。


(黒尾の反応、、これはなにかあるな…)

ちょっとばかり憶測を立ててみる夜久

































「…いないなぁ」


研磨を探しに沢山ある体育館を見て回るあなた。

(多分、次の体育館だ!ここの廊下歩いていけば、、!)








廊下を走り、流れ落ちてきた汗を拭ったその直後、人とぶつかる感触と思わぬ方向に体が流されていくのを感じるあなた。

「っい、、たぁ」


「んぉ?…うおおおおおすまあああん、!
だ、大丈夫か女子ぃぃ!!」


尻もちを着いてしまったあなたにこれまた大きな声であなたの鼓膜を刺激する。












「後ろ向きに歩いてるから人とぶつかるんですよ。木兎さん。」




痛いところを摩るあなたは動きを止める。















(あれ、知ってるこの声)




まだぶつかった相手ともう1人いるであろう人の顔は見ていない。









1人は見てなくてもわかる気がする。










(胸が落ち着かない、興奮とかそういうのじゃなくて、こう、不安とか悲しい方向に
落ち着かない。)












「ごめんなさい。大丈夫ですか?立てますか?」




手を差し伸べてくれる。




(やばい、、顔をみたら、でもここで動けなかったら何も出来ないし、
でもでも、ここであの人が私だって思ったらどういう態度を取るかな
怖い、どうしよ、どうしよ、どうしよ、)













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