不意に体が宙に浮いた。
足が伸びている。
「…えっ?」
「お?軽いな!立てなくなるくらいにぶつかっちゃったんだな、ごめんなあ」
あなたを高らかに持ち上げ謝罪の意を見せる
猛禽類のような目をした男
戸惑いを隠せないあなた。
「…っえ、あ、こちらこそごめんなさい!」
ここでやっと我に返りぶつかった相手に謝るあなた。
が、やはり180cmくらいある男に持ち上げられれば視界は広くなり、下を向いていても顔を合わせてしまう。
(やっぱり、赤葦くんだ、、、)
「っ!木兎さん!いきなり持ち上げる事ないじゃないですかって、
…あれ、相島さん?」
「…っすいません、下ろしてください!」
とうとう赤葦に認識されてしまったあなたは
足をじたばたさせ、下ろしてもらった瞬間に走る。
「いっちまったぞ!…赤葦知り合いか??」
「えぇ。まぁ小中学生同じクラスの子でした」
「それにしては赤葦の顔見た瞬間に焦ってなかったか???」
「…そう、ですね、」
「っはぁはぁはぁ。」
目が会った瞬間怖くなって逃げ出してきちゃった。
久しぶりにあったのに、、
絶対あたまおかしいって思われた。
はぁ。
ていうか、ここにいるってことはバレーの合宿できてるってことだよね?
これから1週間ずっと顔合わせるってことだよね?ああああどうしよ。こんな再開の仕方したらこれからどういう顔をすればいいの。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。