『っはぁ...。』
壁に寄り掛かりながら、水道のある方へ進む。
でも、足に力が入らず、座り込んでしまった。
『いや......ぁ....。』
─────存在が迷惑なんだよ。
『違う.....。』
─────お前さえ居なければ。
『やめて.....。』
─────さっさと消えろよ。
『何で.....。』
──────堕ちた天使。
『っあぁ....!!』
思わず頭を抱えたその時、
?「大丈夫!?」
男の人の声が響いた。
『.....だ.........れ?』
頭の中のモヤがが少し晴れる。
その人は、私の体を引き寄せて、私を抱き締めた。
『っ!』
?「大丈夫。落ち着いて。深呼吸。」
言われた通りに、私は深呼吸繰り返す。
『...はぁ.....はぁ......。』
?「大丈夫だよ。君を締め付けるものは何も無い。」
しばらくして、私はやっと落ち着くことが出来た。
?「...落ち着いた?」
『...はい。ありがとうございました。』
フッと顔を上げると、凄く顔の整った男の人がいた。
これが世間による“イケメン”ってやつか...。
?「いやー焦ったよ。ようやく学校来れたって言うのに女の子が苦しそうにしてるんだもん。取り乱しちゃった。」
『...ここの学校の方ですか?』
?→及川「うん!青葉城西高校3年。及川徹だよ。君の名前は?」
『桜葉あなた...です。烏野高校から来ました。』
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。