私はそう言って立ち上がろうとするが、
『っあ...。』
上手く足に力が入らず、座り込んでしまう。
及川「まだ立てなそうだね。なら...ニヤッ」
及川さんが、怪しい笑顔を作ったと思ったら、
フワッ
『.....え?』
及川「わぁ!あなたちゃんかっる!」
これって...少女漫画とかでよく見る...。
お姫様抱っこ!!?
『お、下ろしてください!!』
及川「ん〜...やだ☆」
『何故ですか!?』
及川「.....何となく?」
『そこ何で疑問形なんですか!?』
こ、こんなにツッコミ入れたの初めてですよ...。
及川「まぁまぁいいじゃん!大人しく抱っこされてなよ。」
『うぅ.....。』
な、何か、及川さんがいるとペース崩される気がします...。
及川「とまぁ話しているうちにとーちゃく!」
『あ、ありがとうございました。もう下ろしてください。』
及川「ん?まだこのままだよ〜。」
『何でぇぇぇぇ!!』
及川さんが体育館のドアを開くと、
女子「「「キャーーーッ!!」」」
観客席から黄色い声が聞こえた。
そして、及川さんが私の事をお姫様抱っこしていることに気づくと、
女子「「「キャーーーッ!!」」」
今度は違う叫び声が聞こえた。
あとは...。
烏野「「「はぁぁぁぁ!!?」」」
烏野の皆さんは何で叫んでいるんですか...?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!