初めて着た神山高校の制服
おろしたてだから少しシャツが硬い
リュックには授業に必要最低限なものとスマホと財布、それからヘッドホン
私はリュックを背負い、ローファーを履いた
私の耳にはアンテナヘリックスやインダストリアル、トラガスなど、すこしいかつめのピアスがあいている
初めて開けたのは母が死んだ日
もうストレスという動機でしか開けることは出来なかった
髪の毛がツートーンの男子が東雲彰人に話しかけていた
私はフル無視してヘッドホンの音量を上げた
ここらへんはもう制服姿の人が多く、皆同じ方向に向かっているのでそれについて行くことにした
元から教えられていたクラスは1年B組
私は教室を探し始めた
また始まる、憂鬱な学園生活
学生のうちにしか出来ないことがあると言われるけれど、そんなのは全く興味はない
どうせ、思い出なんていつか忘れるくだらないものなんだから
私は角を曲がろうとすると
髪の毛が黄緑色の女子とぶつかった
ヘッドホンを肩に掛け、一歩後ろに下がった
私はその女子に着いてって教室に入った
笑顔が下手とか、愛想が悪いとかはもう聞きあきた
高校生活なんて3年間ですぐ終わる
モジモジしながらそう教えてくれた草薙サンは頬を赤らめて聞いてきた
苗字、苗字ね
今の苗字は東雲だけど、私はそんなの認めない
お母さんと同じ苗字で生きていきたかった
私はそうポソッと言ったのが、彼女に聞こえたのかはしらない
𝕟𝕖𝕩𝕥➯➱➩
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。