福沢 諭吉
寒かっただろう
福沢 諭吉
疾く帰ろう
あなた
…其の前に云いたい事が有ります
福沢 諭吉
…何だ
あなた
"好き"…判りました
福沢 諭吉
……そうか
福沢 諭吉
教えてやらねばと思っていたが其の必要は無かった様だ
福沢 諭吉
善い人が居て良かった。頑張りなさい
あなた
…
あなた
(少し、冷たい?)
福沢 諭吉
風を引く。帰ろう
あなた
わ、私ッ!
あなた
其の……あの…
福沢 諭吉
?
あなた
貴方の傍に…ずっと、ずっと居たいです!
福沢 諭吉
家には幾らでも居て呉れて構わな……
あなた
そうじゃなくてッ
あなた
私は…福沢さンが……
あなた
私は……
苦しい
気持ち……凄く伝えたいのに
喉に引っ掛かって……
あなた
…福沢さンが"好き"なンです!
福沢 諭吉
……ッ?
福沢 諭吉
そ、其れは…冗談では……
あなた
そンな訳、有りませン!
福沢 諭吉
気持ちは嬉しいが……私はあなたの名字との歳の差が有る
福沢 諭吉
私の様な者よりもっと歳も近く、自分を幸せにして呉れる者と付き合うべきだ
あなた
何で…?
あなた
貴方が私に"好き"を与えた人なのにッ
福沢 諭吉
…ッ
福沢 諭吉
本当に済まない…私は……あなたの名字とは付き合えない
あなた
…
与謝野 晶子
ったく……誰だい?こンな時間に…
与謝野 晶子
…酷い顔だねェ
与謝野 晶子
失恋でもしたのかい?
あなた
…
与謝野 晶子
…寒いだろう?風呂沸かすから一寸待っておきな
____
あなた
(暖かい…)
あなた
(……)
____
与謝野 晶子
未だ泣いてるのかい?ホント、泣き虫だねェ
あなた
…
与謝野 晶子
子供かい?アンタは…
与謝野 晶子
何でそうなってるのか位云いな
あなた
云えませン……
あなた
今は…とても…
与謝野さンは私を優しく抱き締めて呉れた
与謝野 晶子
なら云える迄、待ってやるから落ち着きな
あなた
有難う..御座います……
与謝野 晶子
(此れが妾より歳上なのかねェ…)
あなた
…振られちゃいました
あなた
漸く…好きが判ったのに
与謝野 晶子
振られたって…社長にかい!?
あなた
…
与謝野 晶子
(こりャ驚いたねェ…誰か見たって好き同士だった筈だけど)
あなた
私を幸せにして呉れる人は福沢さンしか居ないのに…
与謝野 晶子
……
与謝野 晶子
今日はもう寝な
与謝野 晶子
身体と心は比例するからねェ…
与謝野 晶子
兎に角、身体を休めな。又明日、話を訊くよ
あなた
はい……
与謝野 晶子
あなたの下の名前!起きな!
あなた
お早う御座います…
与謝野 晶子
ホント何時迄寝てンだい!
与謝野 晶子
疾く出掛ける支度しな
あなた
え、何処に……
_____
与謝野 晶子
あ、此の服、似合うンじゃないかい?
あなた
何故、買い物?
与謝野 晶子
善いから此れ着てみな!
あなた
…
____
与謝野 晶子
似合ってるじゃないか
与謝野 晶子
今日は其れで過ごしなよ
あなた
はい
あなた
(何がしたいのか判らない…)
あなた
(あ…)
与謝野 晶子
あなたの下の名前、暑い事だし氷菓子でも食べ…
与謝野 晶子
…
与謝野 晶子
済まないけど団子二つ
あなた
え
与謝野 晶子
ホント判り易い子だねェ
あなた
…有難う御座います
あなた
(美味しい…✨)
与謝野 晶子
(…犬みたいだねェ)
与謝野 晶子
少しは気が紛れたかい?
あなた
…はい
与謝野 晶子
…社長はアンタの事、大切に思ってる筈だよ
あなた
……!
与謝野 晶子
だからこそ振ったンだろうね
与謝野 晶子
理由は歳の差も有るだろうけど…
与謝野 晶子
アンタ、漸く大体の感情が戻ったから素直に感情を出すし間違える事だって有る
与謝野 晶子
"子供"みたいにね
あなた
子供…?
与謝野 晶子
子供達は直ぐ好きだとか付き合ってとか云うだろう?其れさ
あなた
(そうなンだ……)
与謝野 晶子
未だ、あなたの下の名前は好きを本当に判ってないと思ったンだろうね。あの人、少し心配性だし
与謝野 晶子
だから付き合うのは駄目だと思ったンじゃないかい?
与謝野 晶子
喩え、付き合いたくても
あなた
……もう一回、伝えてきます
あなた
私、子供何かじゃ有りませン
あなた
私の此の好きは間違ってませンし、絶対に変わりませンから
与謝野 晶子
…行って来な
あなた
はい…!
あなた
(大口云って来ちゃったけど…)
あなた
(怖い……)
あなた
(社に居るはずだけど…何だか入りずらい)
男1
お姉さん!こンな処で突っ立て何してるのー?
あなた
え、えっと…
男1
暇なンでしょ?俺と遊ぼうよ
あなた
ご、御免なさい…此れから大切な用事が有るので
男1
そンな釣れない事云わずに!
乱暴に腕を掴ンできた
あなた
っ……
中島 敦
あれ?あなたの名字さンじゃ……
中島 敦
変な人に絡まれてる…助けないと…!
泉 鏡花
待って
中島 敦
え、鏡花ちゃン?
泉 鏡花
…
あなた
本当に無理なンです!
男1
お前、俺が下手に出てるからって!
あなた
きゃ…
私に振りかかろうとした腕は誰かによって止められた
あなた
…?
福沢 諭吉
私の友人に何か用が?
男1
え、いや別に……
福沢 諭吉
並ば疾く此処から立ち去れ
男1
チッ…
変な男は直ぐに走り去っていった
あなた
あ、有難う御座います
福沢 諭吉
気を付けろ、ああいうのは他にも沢山居る
あなた
は、はい…
あなた
…あのお話が
福沢 諭吉
家で訊こう
あなた
判りました…
泉 鏡花
…
中島 敦
何だか二人共、よそよそしかったね…
泉 鏡花
私達には関係ない
泉 鏡花
其れに直ぐに何時も通りに戻ると思う
中島 敦
え?
泉 鏡花
疾く帰らないと国木田が怒る
中島 敦
あ……そうだね…
福沢 諭吉
…話とは何だ?
あなた
…庭へで出ませンか?
福沢 諭吉
判った
____
あなた
私、多分此処で……初めて逢った時から貴方が好きです
あなた
優しくされて凄く惹かれてたと思います
福沢 諭吉
断った筈だ
福沢 諭吉
あなたの名字は未だ幼過ぎる。大体、本当に其の好きが合ってるか等…判らないだろう
あなた
判っています!
福沢 諭吉
…!
あなた
貴方の事を思うと胸が苦しいし顔もまともに見れませン
あなた
昨日、貴方が私の知らない女性と歩いてるのを見て厭でした
あなた
此れは貴方が好きだからじゃないンですか?
あなた
此の「感情」が"好き"じゃないなら何て云うンですか!?
福沢 諭吉
…
福沢 諭吉
涙を拭きなさい
あなた
…
福沢 諭吉
そンなにも想って呉れていたとは知らなかった。
私の頬に触れながら少し寂しそうだけど嬉しくも思っていそうな表情をした
福沢 諭吉
判っていたンだな…
福沢 諭吉
少々、あなたの名字の事を子供扱いし過ぎた様だ。
済まない
あなた
い、いえ…
福沢 諭吉
あなたの名字
あなた
…はい
福沢 諭吉
私もあなたの名字の事が前から好きだ
あなた
え、でも…昨日はっ…
福沢 諭吉
昨日は未だあなたの名字の気持ちが確かなのか判らなかった…否、あなたの名字と付き合う勇気も無かった
福沢 諭吉
本当に私等と付き合ってあなたの名字は幸せなのか…と勇気が無かったンだ
福沢 諭吉
だが、真剣にあなたの名字は気持ちを云って呉れたのに私だけ逃げるのは卑怯だろう
福沢 諭吉
…あなたの名字、私と付き合って呉れるか?
あなた
…はい!
なんかごちゃごちゃかも…
すみません…
分からない点があればコメントにどうそ
※だいぶ書き直しました