第102話

平和の象徴.°
21,618
2020/08/18 10:40
あなた 𝓈𝒾𝒹𝑒.°




オールマイト「百々……少、女?」


オール・フォー・ワン「まさか君の方から来てくれるとは……」






頭上で突き立てたの私の腕を掴んできたので、体を捻って蹴りを喰らわせる。




オール・フォー・ワン「衝撃反転!」



ドゴォォッ!!



あなた「っ、ぐぁ……!?」





喰らわせたはずの衝撃はそのまま私に返ってきて、脚に猛烈な痛みが走った。





オール・フォー・ワン「ちょっと寝てなさい……弔の元へ送ってやろう」


あなた「_________遠慮、しときます!」


オール・フォー・ワン「!!!?」




全回復を全身に使っている暇はない。



折れた脚だけ荒治療してから、顔面に確実に一発を入れることに成功した。




反動で体は後方へと吹っ飛び、瓦礫にぶち当たる。





オールマイト「百々少女……!!」



オール・フォー・ワン「厄介だね……君の個性は」




ゆっくりと降りてきて、私の方に手を伸ばしたその時。




ブォォォッ、




あなた「!?」


オールマイト「!!!?」



?「なんだ貴様ぁ……!!」




オール・フォー・ワンを炎が襲った。



エンデヴァー!?





エンデヴァー「その姿はなんだオールマイトぉぉ!!!」


エンデヴァーに続き他のヒーローも駆けつける。



オール・フォー・ワン「ほぉ……全てミドルレンジとはいえあの脳無をもう制圧したか。流石No.2に上り詰めた男……!」




嘲笑うように片腕を伸ばしたオール・フォー・ワン。


この状況でも余裕そうなその声は変わらない。




オール・フォー・ワン「応援に来ただけなら、観客らしく大人しくしててくれ……!!」



攻撃を仕掛けたオール・フォー・ワンに、エッジショットが立ち向かっていく。


やられていたマウントレディーたちをシンリンカムイが救い出す。




なんだ……皆、来て……。




瓦礫から離れて、3人があいつと戦っている間にオールマイトの背後にいた一般人を助けに向かう。




あなた「だい、丈夫……ですか!?」


「あ、あなたは……、」



瓦礫が完全に覆いかぶさってる……これどかさないと。


ふと職場体験を思い出した。


同じように、力を制限しつつ込めて瓦礫をどかせる。




中から引っ張り出して、少し離れたところへ移動した。



「うぅ……」



頭を打ってる。


外傷も大きい……。



ここで全回復を使ったら、確実にやばい、けど……。




ドゴォォォォォォッ!!!!!



あなた「!!?」




オール・フォー・ワンによる衝撃波が届いて、女の人に被さってなんとか庇った。


凄い威力……。




迷ってる暇はない……。



上を見ると、肥大した片腕を構えているオール・フォー・ワン。


それを迎え打とうと同じように構えるオールマイト。



あの2人がぶつかったら……もっと凄い衝撃が……。




あなた「……、回復します。じっとして」


「え……?」




私に今できる最善を……探すんだ。





オール・フォー・ワン「緑谷出久……!!」


あなた「……!?」



回復しながら、オールマイトに向かっていくオール・フォー・ワンから発せられた言葉に思わず振り向いた。




オール・フォー・ワン「ワンフォーオールの譲渡先は彼だろう……。自覚もなしに来てしまって……まるで制御できてないじゃないかぁ」





「ぅ……、」



あなた「!」





だめだ今は……集中しないと。



いつもより時間をかけて、なんとか回復し終わった。




あなた「っ、やばい」



そうこうしているうちに2人は衝突し、物凄い衝撃波が再度襲う。


覆いかぶさってそれに耐えた。




オールマイト𝓈𝒾𝒹𝑒.°



オールマイト「そうだよ……先生として、叱らなきゃいかんのだよ……」



衝撃が1番と重くなり、腕から血が吹き出た。



象徴としてだけではない。


お師匠が……私にしてくれたように……!


私も彼を育てるまでは……それまでは。




オール・フォー・ワン「そこまで醜く抗っていたとは……」



まだ……!!



あなた「〜っ、オールマイト!!!!!」




百々少女……すまなかった。



君のことを信じていると言いながら……心のどこかで私も、疑ってしまっていた。



君にはきちんと、謝らなければならない。




それまでは……。


私は……!!




あなた 𝓈𝒾𝒹𝑒.°




オールマイトが、全身をボロボロにしながら。



それでも尚立ち向かっていくその姿が……やっぱり"彼"に重なって。



オール・フォー・ワンを地面に叩きつけた衝撃波に耐えようと、再度女の人に覆いかぶさってから。









確かに掲げた、オールマイトのその拳を、しっかりと捉えた。












_________平和の象徴。










私が……一度失ったそれは、確かにそこにあった。











しっかりと、見届けて……。







あなた「……ごめんなさい……オールマイト







本当は……私は、貴方を____、







憎んでなんかいないんです。



















意識を、手放した。

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