第99話

逃すから.°
21,847
2020/08/15 14:04









突然、何も無いところから現れた脳無。


一体が猛スピードでこっちへ向かって来た。




爆豪「_________!」



爆豪くんめがけて腕を振りかざす。



オールマイト「爆豪少n______」




ドゴォォッ!!





オールマイト「……!?百々……少女、」


あなた「っ、いくら嫌われても……信じてもらえなくても……守るって決めた人は、絶対守る……!」




殴り潰した脳無をぶっ蹴ってもう一体に当てたところで、喉の下あたりから何かがこみ上げて来た。




爆豪「〜っ、っだこれぇ……!?」


オールマイト「!?爆豪少年っ、百々少女!!」




口から水銀色のヘドロのようなものが溢れて、それに包まれた私達をオールマイトは掴もうとしたけど、間に合わなくて。




最後に見えたのは、私より一瞬先にいなくなった爆豪くんを掴みきれなくて叫ぶオールマイト。




あなた「……ほら、結局あんたは_____


















緑谷𝓈𝒾𝒹𝑒.°




恐怖で体が_________動かない!



一体、なんなんだ……あれはっ。





?「ぅ"ぁっ、〜くっせ!」


?「うぇっ、ゴホゴホッ……、バカ臭いじゃん……!」





_________かっちゃん……?あなた!?





あなた𝓈𝒾𝒹𝑒.°




一瞬のうちに着いたのは、廃れた場所だった。


私と爆豪くんより少し遅れて死柄木達が同じようにヘドロのようなものでこっちに送られて来て、ゴホゴホッ と咳をする。




死柄木「先生……」




あなた「爆豪くん……隙作るから、逃げて


爆豪「あ"ぁ!?





やばい……見るからにやばい。



他のどのヴィランより何より……こいつはやばい。





爆豪くんだけは絶対……今逃さないともう間に合わなくなる!




瞬間、土埃を破って現れたのはオールマイト。




オールマイト「全てを返してもらうぞ!オール・フォー・ワン!」




「オール・フォー・ワン」……!?



……私、知ってる……この人を、知ってる。




2人の衝突により発生した衝撃波が、私達を吹き飛ばした。




爆豪「ぐぁっ、」



瓦礫によって背中を打ちつけた爆豪くんが、うつ伏せになって2人を見る。



あなた「爆豪くん動ける?」


爆豪「余裕だクソ」




あの2人の交戦中なら……隙が生まれるはず。


なんとかして逃さないと……!




オールマイト「爆豪少年と百々少女を取り返す!そして貴様を今度こそ刑務所にぶち込む!貴様の操るヴィラン連合もろともぉぉ!」


オール・フォー・ワン「それはやることが多くて大変だな、お互いにっ」






ドゴォォォッ!!!!



パンチを打ち込みにいったオールマイトが、遥か遠くに吹き飛ばされた。



やばい……オールマイトがあんなんなら、隙なんてできる訳ない!






爆豪「オールマイト!!」



オール・フォー・ワン「心配しなくても、あの程度では死なないよ。だからここは逃げろ弔。その子達を連れて____」



指先が血のように赤くなり、伸びた剣のようなものが一瞬でこっちに向かって来た。



グサッ




あなた「ぐぁっ……!?」




爆豪くんを跳ね除けた瞬間に、剣のようなものがいくつか腹に刺さる。





オール・フォー・ワン「黒霧を回復させろ」



あなた「っ!?」





私の個性……なんで知って。



手首を掴まれて黒霧のところへ飛ばされ、剣がより一層深く刺さる。





オール・フォー・ワン「悪いね……僕のはまだ出来立てでね。転送距離は酷く短い故彼の座標移動と違い僕の元へ持ってくるか、僕の元から送り出すしかできないんだ。ついでに、送り先は人、馴染み深い人物でないと機能しない」




あなた「ん"、ぐ、ぁ……!」





オール・フォー・ワン「個性強制発動!」





体が黒霧へ吸い寄せられるように動いて、触れた。



瞬間、使おうともしていない"全回復"が彼に発動し、すぐに目を覚ます。




オール・フォー・ワン「黒霧、皆を逃すんだ」




言われた黒霧はゲートを開き、私の"全回復"の効きが不完全だったお陰で治りきってはいないようで片膝をついている。




ズキッ……、




あなた「う"っ……ぁ、」




自身の回復をしようとした所で、副作用の脳へのダメージが遅れて届いた。



頭が張り裂けそうなほど痛い……。





オール・フォー・ワン「さぁ行け!」


死柄木「先生は……?」






吹き飛ばされた先から戻ってきたオールマイトがオール・フォー・ワンに向かっていく。



視界が霞む……息がし辛い。




オール・フォー・ワン「常に考えろ弔。君はまだまだ成長できるんだ!」


オールマイト「逃さん!!」




ドゴォォッ!!




コンプレス「行こう死柄木!あのパイプ仮面がオールマイトを食い止めてくれてる間に!!駒持ってよぉ!」



爆豪「っ、」




気を失っている荼毘をガラス玉に閉じ込めたコンプレス含め、皆が爆豪くんに目をやる。




爆豪「めんっ……どくせぇ!」



あなた「ハァッ、ハァ……、」





立ち上がらないと……6対1なんて武が悪すぎる!


オール・フォー・ワンに邪魔されてオールマイトも助けに来れない……起きろ……、起きないと……!






爆豪くんだけは、絶対……。




爆豪𝓈𝒾𝒹𝑒.°



さっきまでと違って強引にでも俺を連れて行く気だ!


6対1_______。





爆豪「っ、」




バコォッ!!




コンプレス「ぐぁ、!!?」





!?



クソ仮面から逃れようと爆破した瞬間、そいつの体が奥へと吹き飛ぶ。





爆豪「あなた……!?」





あいつさっき個性使わされてへばってたはず……!




あなた「ゼェッ、……ゼェ、…………、」




いや気のせいじゃねぇ……確実に威力が出せてねぇ。


いつものこいつなら一発で仕留めてるはずだ。





爆豪「お"ぃ伏せてろ!」



あなた「っ、絶対……、助け、るって……決め、たんだ!」



爆豪「……!」





あなたは俺の横に立って、ふらつく足をドガッと地面に付けた。





あなた「大丈夫……絶対、から!」

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