あなた 𝓈𝒾𝒹𝑒.°
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あなた『樹……ど、して……やだ、やだよ……!』
樹『泣く、なよ……お前は、これから……もっと、もっと……多く、誰かを……』
あなた『いらない……そんな力いらない!!樹1人を犠牲にして……っ、それで初めて成り立つ個性なんて……そんなので、誰も守りたくない!!』
樹『頼むよ……なぁ、あなた……。俺たちが……また、2人……笑って、られる、世界を……。だから、その、ために……』
あなた『樹1人でいい!他に誰もいらないもん!!私には……樹しか……いないんだよ……!?他の何も、いらないんだもん……!!』
樹『…………あなた、俺……は、お前が_______』
樹『_________ずっと……"憎かったよ"』
҉ฺ
あなた「…………、」
目が覚めて、こめかみに垂れた涙を拭って体を起こした。
久しぶりによく眠れた気がする。
相澤先生が用意してくれたベッドは寝心地良く、まぁ目覚めが良いかと言われれば分かんないけど……。
ピコンッ
三奈ちゃんだ。
返信しようとキーボードに指を置くと、絶え間なく次のメッセージ。
あなた「わわっ、三奈ちゃん打つの早い……」
あなた「あ!間違えた……何で疑問形に……!」
三奈ちゃんは察してくれたようで、打ち直している間に返信が来た。
打つの……練習しよう。
とりあえず制服に着替えて髪を整え、荷物の準備をした。
・
あなた「ふ……あぁ、」
芦戸「眠いね……流石にはしゃぎすぎた」
三奈ちゃんとエレベーターに乗り込むと、八百万さんと梅雨ちゃんも乗っていた。
蛙吸「おはよう2人とも」
あなた「おはよ!」
「眠いね〜」と談笑しながら一階に降りて、食事のブースへ向かう。
あなた「あ、いずくんおはよ!」
すぐにいずくんの後ろ姿を見つけて声をかけると、隣には轟くん。
緑谷「おはようあなた……芦戸さん達も、おはよう!」
芦戸「お〜す!轟もおはよ!」
轟「はよ。…………百々?」
あなた「!……うん!?おはよう轟くん!いい天気!ね!」
轟「??……あぁ」
チラッと窓の外を見てそう返されて、視線が外れた隙においとました。
昨日からまともに顔が見れない……なんで!?
切島「お!あなたおはよう!!んな急いでどうした?」
あなた「あ……おはよう!……いや、えっと。トイレ!」
切島「……?」
隣に爆豪くんが居たから、目を合わせないようにトイレに駆け込んだ。
色々……色々怒ってるんだよ私は!!
慌ただしい朝を過ごして、とりあえず久しぶりの学校へと登校した。
・
相澤「昨日話したと思うが……ヒーロー科1年A組は、仮免取得を当面の目標とする」
「「「「はい!」」」」
仮免か……。
……んんと、なんだっけ。
相澤「……そこ、ポカンとするな除籍にするぞ」
あなた「いや、それは短気すぎ!……あれですよね。仮の免許」
上鳴「クッソそのままじゃねぇか!」
相澤先生にため息をつかれて、説明をしてくれた。
相澤「そこで今日からキミらには……1人最低でも2つ_______"必殺技"を作ってもらう」
……必殺技。
相澤「コスチュームに着替え、体育館γへ集合だ」
更衣室へ、コスチュームを持って移動。
出る際にミッドナイト先生がいたので、部屋のお礼を言った。
ミッドナイト「いいのよいいのよっ。というか私はインテリア選んだだけ!大体はイレイザーが______」
相澤「おい。余計な事言うな」
……あんなしっかりした家具、相当お金かかったはずなのに。
あなた「相澤先生……」
相澤「……なんだよ。からかったらどうなるか分かってるな?」
睨みを効かせてきたので、しょうがなくやめておいた。
除籍は怖い。
……でも。
あなた「あの……私、先生に言いたい事があって」
相澤「?」
怪訝な表情をするから、悪い話をするつもりはないと伝えるために笑って見せた。
やっぱりちょっと照れ臭くて、後ろに下がりながら ふふ と笑った。
あなた「いつもありがーございますっ」
私は……1年A組で良かった。
あなた「相澤先生が担任で幸せです!」
色々……厳しかったりもするけど。
あなた「へへ……っ先生大好き!!」
相澤「な"っ、」
言うだけ言ってから、待ってくれてる三奈ちゃん達の所へ合流した。
日頃言えてないからね……今日くらい!
ミッドナイト「泣く?」
相澤「誰が泣くか」
ミッドナイト「(うわぁ……顔、真っ赤……)」
相澤「チッ……あいつ、覚えてろ/」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!