相澤「雄英校は1学期を終え、現在夏休み期間中に入っている。_________だが、ヒーローを目指す諸君らに安息の日々は訪れない。この林間合宿でさらなる高みへ……プラス・ウルトラを目指してもらう!」
「「「はいっ!!!」」」
林間合宿が始まる……!!
あなた「ふんふんふ〜ん♪」
相澤「ご機嫌か百々」
荷物の確認をしていると、相澤先生が気怠そうに話しかけてきた。
あなた「そりゃ勿論!無事に参加できて良かったなって。……相澤先生のおかげですっ。ふふ、ありがとうございます!」
満面の笑みで感謝を伝えると、珍しい素直さに驚いたのか目を見開いた。
相澤「……おう」
ただそれだけ、小さく応えてから。
こちらも珍しく、私の頭を軽く撫でた。
物間「えぇっ?なになにA組補習いるの!?つまり期末で赤点とった人がいるって事!?えぇ?おかしくないおかしくなぁい?A組はB組よりずっと優秀なはずなのにぃ!?あれれれれれ_____」
あなた「え、物間くん赤点でしょ?」
物間「っ百々…………______〜っ、///////」
……あれ?
なんか変だ。いつものひねくれ対応がない、けど……。
顔、赤くない?
あなた「え、どした?熱?熱ある?」
物間「うわああああ来るなっ!!」
え、私何かした!?
拳藤「いくよ物間!!あなた、また後で話そーな!ごめんな!」
引きずられていく物間くんを見て、疑問が止まらなかった。
飯田「A組のバスはこっちだ!席順に並びたまえ!!」
バスに乗り込んで、やっとのことで出発。
……なんだけど。
轟「窓側じゃなくて大丈夫か?」
あなた「え、うん。大丈夫……」
なんで私轟くんの横なのかな……?
三奈ちゃん達に促されるまま席に座ったけど……。
芦戸「(あの2人は絶対何かある!この合宿でくっつけるしかないでしょ!)」
麗日「(あなたちゃん、デクくんの事が好きなんやと思っとった……いやべつにええんやけどな!?)」
八百万「(応援しますわ……轟さん!!)」
……皆、何か勘違いをしておられるようで。
パーキングエリアに着いたようで、下車した。
けど……。
……?ただの広場?
相澤「なんの目的もなくでは、意味が薄いからな」
あなた「???」
と、すぐそこに停まっていた車から、今回お世話になるプロヒーロー2人が出てきた。
マンダレイ「ここら一帯は私らの所有地なんだけどね、あんたらの宿泊施設は、あの山の麓ねっ」
え、見えないよ??
あなた「…………」
あ、これやばいやつだ。
気づかれないように一歩一歩後ろに下がって、バスの影に隠れた。
マンダレイ「今は午前9時30分……。はやければぁ、12時前後かしら?」
切島「バスに戻れ!!早くぅぅ!!!」
気づいた皆が大慌てでこっちへ向かってくる。
相澤「悪いが諸君。合宿はもう_______始まってる」
ピクシーボブの個性で皆が一気に崖の下に飛ばされた。
マンダレイ「おーい!私有地につき、個性の使用は自由だよ!今から3時間、自分の足で施設までおいでませ!この、魔獣の森を抜けて!!!」
魔獣の森……?
相澤「おい」
あなた「ひぃ!?」
突然後ろから耳元の声に、尻餅をついてしまった。
相澤「お前いつの間に逃げたたんだ」
あなた「え、いや、その…………てへっ」
相澤「お前も例外じゃない。行け」
シュルルル、
あなた「ふおおおぉぉぉ!!何するんですか!え、嘘ですよねそんな訳ないですよね!?」
包帯が飛んできて体に巻きつけられ、柵の所まで連れて行かれる。
……え、嘘でしょ。
相澤「じゃ、後でな」
ポイッ
あなた「人殺しぃぃぃぃ!!!!」
緑谷𝓈𝒾𝒹𝑒.°
下に落とされてすぐに飛び出した峰田くんを阻む魔獣。
甲田「鎮まりなさい獣よ!下がるのです!!」
甲田くんの個性が通じないって事は……!
峰田くんをギリギリのところで救い出し、その土塊からピクシーボブの個性だと分かった。
轟くんが氷結で動きを止め、かっちゃんと飯田くんが両腕をもぎ取る。
緑谷「スマァァッシュ!!!!」
なんとか一体仕留めて、だけど次々に現れる気配。
芦戸「どうする、逃げる……?」
佐藤「冗談!」
八百万「ここを突破して最短ルートで施設を目指すしかありませんわっ」
雄英こういうの多いな、ほんと_________。
芦戸「待って、あなたがいない!!」
!?そういえば、落ちた時からいなかったような……。
?「わぁぁああぁぁああああ!!!!」
緑谷「!?」
ドゴォォォォォォォッ!!!!!
麗日「えっ、もしかして今の声、」
爆豪「ほくろ野郎……!?」
切島「飛んでたぞ!?」
音がした方を向くと、ド派手な土埃。
目を凝らすと、魔獣を数体仕留めたようだった。
芦戸「流石あなた!!」
飯田「百々くんに続くぞ!!いくぞA組!!!」
「「「「おぉ!!!!」」」」
あなた 𝓈𝒾𝒹𝑒.°
あなた「ああもう!!キリない!!!」
どこからともなく現れる意味分からんやつをひたすら倒して進んでいると、後ろから何やら大きな音。
爆豪「見つけたぞほくろ野郎ぉぉぉぉ!!!」
あなた「おおっ、皆!」
緑谷「って、あれ……?ここら辺少なくない?」
芦田「いや緑谷……そこら変めっちゃ戦った形跡あるよ」
飯田「はは、1人でやっていたのか!」
あなた「相澤先生に飛ばされて……とりあえず、残り皆でやっつけよう!」
「「「「「おう!!!」」」」
PM3:30
ピクシーボブ「あれっ!?」
マンダレイ「おっ、思ったより大分早いじゃん!」
合宿所にようやく着いて、皆広場に座り込んだ。
ピクシーボブ「ボロボロだねぇ」
麗日「吐きそう……」
峰田「血が……止まらん、」
あなた「ありゃりゃ……」
とりあえず……。
ポンッ
蛙吸「大丈夫?お茶子ちゃん……」
麗日「大丈_______、!?っえ、うん大丈夫んなった!!」
ポンッ
ポンッ
ポンッ
ポンッ
緑谷「……!?体力が戻っていく……って、あなた!?」
あなた「へへっ、お疲れさん!」
轟「お前、んな使ってやばいんじゃねぇのか」
あなた「いやいやっ、皆軽傷だから余裕!ほとんど体力の回復だしね!」
全員の肩に触れていって、最後爆豪くんにはやっぱり抵抗された。
爆豪「てめぇの助けなんざいらねぇんだよ!!」
あなた「素直に受け取っときなさい!!」
間合い詰め合いの末、不意をついて頭に触れて回復を施した。
ピクシーボブ「あれが噂の二重持ちちゃんね……?でも、正直もっとかかると思ってた!私の土魔獣が思ったより簡単に攻略されちゃった!いいよ君ら_______特に、そこ5人!!」
掴み合ってグルグル言ってた私と爆豪くんを含め、轟くん、いずくん、飯田くんを指さした。
ピクシーボブ「躊躇の無さは経験値によるものかしらぁ?_______数年後が楽しみ!唾つけとこぉぉぉ!!」
ペペペペッ
飯田「おわ!?」
緑谷「何を……!」
爆豪「おい俺を盾にするなほくろ野郎!」
唾を飛ばしてくるのを察知して爆豪くんの後ろに隠れた私は、この林間合宿への期待に胸を膨らませた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。