あー……あ。
やっちまったな、まさか熱で倒れるなんて……。
芦戸「お、あなた!もー平気なのっ?心配したんだから〜」
あなた「ごめんね三奈ちゃん……。直したから平気だよっ」
意識がはっきりしてから全回復を使ったので、体調はもうすっかり良くなった。
みっともない……今度ちゃんと物間くん達にも謝らないと。
あなた「……ところで、さ。私いつの間に寮に……?」
芦戸「あぁ、食堂で倒れたのを轟と爆豪が運んだんだよ!医務室行ったらリカバリーガールが帰るように言って、相澤先生が連れて帰ったらしいっ」
轟くんと爆豪くんが……?
そっか、まぁ……樹がいるわけないもんね。
芦戸「それよりっ、ほんとにヘーキ?仮免近いし心配……」
あなた「大丈夫だよ大丈夫!心配してくれてありがとっ!」
気合い入れ直そう。
仮免絶対取らないと……。
一階に降りて、いずくんたちと朝の挨拶を交わす。
緑谷「あなた、もう大丈夫なの……?熱で倒れたって聞いて」
あなた「うん!ごめんね心配かけた!!」
笑いかけるとホッと表情を緩めた。
奥に轟くんが居たので、小走りで駆け寄る。
あなた「轟くんっ!」
轟「体調は?」
あなた「あ、うん。平気!」
すぐに食い気味に尋ねられて、力こぶを作って見せると「そうか」とホッとしたような顔をする。
いずくんと言い……そんなに心配してくれてたなんて。
轟「相澤先生が、今日1日休めって言ってたぞ」
あなた「え"」
轟「来たら晩飯抜きだってよ」
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?
あなた「あり得んし!!もう平気だから行くもん!!!」
轟「だめだ。休め」
あなた「いーーや!!」
なんでそんな、ちょっと熱出たくらいで大袈裟な……。
大体仮免近いんだし、休んでる場合じゃないでしょ。
このまま話していても言いくるめられそうなので踵を返し、三奈ちゃんたちの元に戻る。
芦戸「あ、ほらあなたっ。爆豪が……」
爆豪「テメェ、体は?」
あなた「へ、もう平気……だよ?あ、爆豪くん運んでくれたんだよね、ありがとっ」
爆豪「チッ……運んだのは俺じゃねぇよ」
あなた「え?」
轟「俺が運んだ。お前ちょっと人の話聞け」
あなた「どーせ「休め」でしょ!?私もう平気だってば!相澤先生にも自分で話すし________……っ、」
なんでそんな……哀しい顔するの?
轟くんは黙り込んだ後、「……勝手にしろ」と吐き捨てて向こうへ行ってしまった。
あなた「……何よ」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。