第215話

入れ込む私情.°
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2022/09/05 12:00
で、どこ行った?





ビルボードチャートが終わってから館内を歩き回り、ホークスの姿を探す。




明日からの活動について聞きたかったんだけど、まぁ連絡取ればいいかな……。












「聞かん!!失せろォ!!!」



あなた「!!?」










丁度すぐそばの扉の向こうから聞こえてきた怒鳴り声。





見てみるとエンデヴァーの控室のようで、中から話し声。










「チームアップのお願いです。俺の地元……今嫌な目撃談が増えてんですよ。」













……ホークス?





こんなところに……大方、さっきの失礼発言で怒られていたんだろう。










中に入ろうと取っ手に手をかけたと同時に、耳に飛び込んできた聞き覚えのある名前に思考が停止した。









ホークス「"脳無"って覚えてます?」












ホークス𝓈𝒾𝒹𝑒.°






ホークス「じゃあ、お邪魔しました〜。」









エンデヴァー話を聞いてくれて助かった。






控室から出てすぐ、すぐ横の壁に寄りかかっていた影に気が付いた。












エンデヴァー「?」


ホークス「……。」











立ち止まった俺に気が付いたエンデヴァーが眉間に皺を寄せるので、ひとまず一礼して扉を閉める。






盗み聞き……か。













ホークス「こら。」


あなた「だって、聞こえちゃった。」













決まり悪そうに口をつぐむ。





まったく……。













ホークス「立ち話もなんだし、俺の控室あっちだから。」


あなた「……うん、」
















頷いて、一歩後ろを歩く。




聞かれていたか……。






まさか、付いてくるとか言わねぇよな、






































あなた「私も行く。」


ホークス「なんでお前はそう悪い方向に期待を裏切らないんだよ。」










やっぱりか……。



困った奴。







流石に今回は連れて行けない。













あなた「脳無が居るって事は、"アイツ"が関わってるかもしれない……!」


ホークス「だからこそだろ。」


あなた「なんで……アイツは私が、」


ホークス「、ダメだ。」













それに、関わってない。





ノベルは今回の一件とは無関係だ。







むしろ……奴はヴィラン連合のする事なす事に何も手を出すつもりはないように見える。






ただ……、


















『お前なら、連れてこれるだろ?』















ホークス「…………荼毘、」


あなた「、!」


ホークス「アイツはお前を探している。下手に出ていくのは危険だ。」


あなた「エンデヴァーもホークスもいるでしょ!それとも何、私は戦力にならない?」











んな訳がないでしょうが。




百々あなた以上に俺にとって戦力になるヒーローは居ないし、それは伝えているはずだ。







そこらのプロヒーローを凌ぐ圧倒的な実力と、その実績。













ホークス「……ヒーローとしてじゃあない。」


あなた「……、?」


ホークス「1人の男として、お前を行かせたくないんだよ。」













今、コイツと荼毘を会わせてはならない。









強く真っ直ぐな強さを持つ百々あなたの儚さを、俺は知っているから。













あなた「……ホークスは、そういう私的な事、仕事に持ち込まないと思ってた。」













スッと伏せたそれは、多分俺を軽蔑した目。









ああ、そうだよ。







私情を持ち込んでいてはヒーローはやってられない。








ただ、お前は別なんだ。












守ると決めた。













俺は俺のやり方で、お前を守る。









プロヒーローホークスとしてではない。









ただの、鷹見啓悟として。









せめて、守らせてくれ。

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