第213話

ヒーロービルボードチャートJP.°
2,767
2022/06/21 12:00



〈平和の象徴、オールマイトが事実上の引退に追い込まれた神野事件以降。初めてのビルボードチャート!その意味の大きさは誰もが知るところであります!〉






ヒーロービルボードチャートJP。





テレビでその行く末を見守る。









上鳴「行きたかったなぁここ!」


切島「俺たちは厳しいだろうなぁ。」

















〈これまで、発表の場にヒーローが登壇する事はありませんでした。しかし、今回は違います!!ご覧くださいっ。〉








〈No.10!前回9位からワンランクダウン、ドラグーンヒーロー"リュウキュウ"!!!〉



麗日「リュウキュウや!!」


蛙吸「えぇ、」













続々とヒーローの名前が呼ばれていって、どれも誰もが知る超有名ヒーロー。











芦戸「多分、あなたは誰も知らないんだろーなぁ。」


耳郎「間違いないね。」


上鳴「そんなアイツが__________、」









〈活動休止中にも関わらず、No.3!支持率は今期No.1!!〉









ベストジーニスト……!



上野事件に関わったヒーロー達の支持率が軒並み上がっているらしく、確かに10位以内にいるシンリンカムイもそうだ。











〈No.2!マイペースに、しかし猛々しく!破竹の勢いで今2番手へ!!ウィングヒーローホークス!!〉







爆豪「…………チィ、ヘラ鳥が。」


飯田「ホークスと何かあったのかい……?」


轟「………………、」









〈そして!!______暫定の1位から今日、改めて正真正銘No.1の座へ!!長かった!フレイムヒーローエンデヴァー!!!〉












10人のヒーローがステージ上に上がり、一列に並んだ。




すごい風格だ……。














〈更に今回、特別枠として設けさせていただいたのがもう一席!!!〉


上鳴「おっ、来たんじゃね!?これじゃね!?」


葉隠「ほらほら轟〜!」


轟「……あぁ。」


















〈一体誰が彼女を止める事が出来るのか……!早すぎる男の元で培った才は本物!!高校生ヒーロー "ユグドラシル"!!!〉














〈……?"ユグドラシル、?〉

















緑谷「……?」








それぞれのヒーローが客席にライトアップされて登壇する中、あなたは名前を呼ばれても現れない。




どこに向かえば良いのかと 迷子になっているライトは、突如ステージ上に集まった。







どこからともなく現れたあなたは、ヒーローコスチュームを身に纏い、そこに立ち。












あなた〈さぁせん、トイr______んもごっ、〉











乱れた髪を整えながら発した台詞は、すぐ側に居たシンリンカムイに塞がれた。










切島「"トイレ"って、言おうとしたよな、?」


佐藤「何人の人が見てると思ってんだ……、」









いつも通りのあなた。





その姿に少し安心した手前、他ヒーローからも向けられている呆れた笑顔に、内心焦った。







僕達の、知らないあなた。





もうとっくに、プロヒーローの社会での位置づけが始まっていて。







僕達の知らないコミュニティが、そこにはあって。












〈今や彼女を知らない人は居ないでしょう……!雄英校1年という肩書きを持ちながら、異例のヒーローデビュー!!数々の事件解決例を持ち、支持率も軒並み上昇中……!!今回、ランキングはデビュー後換算で2桁に上り詰めました!!〉











そう。






下半期途中にデビューしたあなたは、異例の速さでビルボードチャート上位に組み込んだ。






その実績と持ち前の人を惹きつける魅力からか、こうして10人のヒーローと共に登壇を許されたらしい。








前にビルボードチャートについて、"聞いた事がある"と言っていたけど……、










まさか自分が呼ばれていただなんて。














ヒーロー達にぺこりと頭を下げてから、リュウキュウの隣にスッと立ち並んだ。









緑谷「____________、!」









どうしてだろう。







あんなに陽気で、騒がしくて。






そこはきっと、僕達と何も変わらないのに。












麗日「なんか……、」


八百万「えぇ……。」














名高いプロヒーローと並ぶあなたのその姿は、正真正銘、ヒーローそのもので。






その風格に負けない立ち姿は、僕達の知らないあなたみたいで。









分かりきっていた事なのに、今明確に、目の当たりにした。














遠い存在になってしまったと、思わざるを得なかった。