距離を詰めた轟くんのお腹に、モロに入ったいずくんのパンチ。
轟くんは後方に吹っ飛んでいって、氷で何とか踏みとどまる。
緑谷「期待に、応えたいんだ……!笑って、応えられるような……かっこいい、ヒーローに……!!なりたいんだぁぁぁぁっっ!!!」
いずくんの、姿勢が。
緑谷「君のっ、力じゃないか……!!!!!!」
いずくんの、言葉が。
目に見えて轟くんを変化させた。
初めて見せた"左"は、やはり皮肉にもさっきのエンデヴァーを思い出させて。
2人の衝突に備えて身が強張った。
セメントスが止めに入ったけど、2人の攻撃は大きな爆殺と共に為された。
吹っ飛んだいずくんが壁に背中をつけ、そのまま崩れ落ちる。
ミッドナイト「轟くんっ、三回戦進出……!!!」
麗日𝓈𝒾𝒹𝑒.°
飯田くんたちと皆でデクくんの所に走って行ったら、扉に背を預けて暗い顔をしているあなたちゃんがおった。
飯田「百々くん……?」
蛙吸「中、入らないの?」
麗日「入るよっ!!」
デクくんが心配で、何かあなたちゃんが言いかけたのに扉を開けてしまった。
中には、知らない人とデクくんがいた。
あなた 𝓈𝒾𝒹𝑒.°
緑谷「皆……次の試合は、」
かすれた声で尋ねるいずくんに、飯田くんがステージ補修のため遅らせていると伝えた。
リカバリーガール「心配するのはいいが、これから手術さね……!!」
「「「手術……!!!?」」」
そんな大怪我だったんだ……。
大騒ぎする皆をリカバリーガールが追い出す。
あなた「……あの」
声をかけるとこっちを向いて、「何さね……」と呟いた。
あなた「私なら……元通りに治せる」
「「「!!!?」」」
蛙吸「な、何言ってるのあなたちゃん?貴女の個性は____」
あなた「ずっと……自分の個性が憎かった」
緑谷「……!」
あなた「自分の事はノーリスクで治せる癖に、他の誰かを治そうとすると危険がついて回る……人を助けるためのヒーローを目指しているのに、こんなのはもう嫌だから……」
そう言ったけど、次に試合を控えているし、いずくんに対しても戒めだからと止められた。
皆で保健室を後にして、私と飯田くんはそれぞれ控え室に向かった。
いよいよ二回戦だ……。
プレゼントマイク〈さぁぁぁぁて長らくお待たせいたしましたぁぁ!ステージの修繕が完了したので早速始めるぜぇぇぇ!〉
相手は……あの飯田くんだ。
プレゼントマイク〈ヒーロー科の真面目くんと問題児対決っっ!!!〉
あなた「誰が問題児じゃい」
ステージに上がって、両者見合う。
飯田「百々くん……君は強い。それでも……負ける訳にはいかないんだ!」
プレゼントマイク〈ready……〉
あなた「_________私もだよ」
プレゼントマイク〈start‼︎‼︎〉
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。