第119話

先輩、ビッグです!.°
18,962
2020/09/08 13:05
相澤「百々。コスチュームが届いてるから後で俺のところに来い」


あなた「あーい」




帰りのHRが終わって、皆帰りの支度を始める。




芦戸「あなたっ!今日寮帰ったら晩ご飯の前に中庭集合ね!」


あなた「??うん〜」




何かあるのかな……?


とりあえず、職員室行こう。




三奈ちゃん達に手を振ってから、荷物を持って廊下に出る。





?「おぃ」


あなた「?」





襟に指をかけられて後ろに引かれたので振り向くと、相変わらず眉間にシワを寄せた爆豪くん。





爆豪「てめェコスチューム改良したんか」


あなた「あ、うん!エクトプラズム先生にデザイン変えてみればって言われて……。どんなんなってるか分かんないけど」


爆豪「……」


あなた「なに、どうかしたの?」




なんとも言えない表情で見てくるので首を傾げると、「なんでもねェわ。さっさと行け」ってなんとも理不尽な……。




あなた「はいはい行きますよ〜!んじゃ、またね!!」





手を振って小走りで職員室へと向かった。











あなた「失礼しま〜す」


ミッドナイト「お、来たね」




入ってすぐ気がついてくれたミッドナイト先生が、相澤先生に声をかけた。




相澤「ほら。1回着てみて、改良の余地が有れば連絡しろと言われている。そっちに更衣室あるから着替えてこい」




コスチュームボックスを手渡されて、言われるまま更衣室へ向かった。








ミッドナイト「あれ?イレイザー……更衣室ってもしかしてα?」


相澤「……?ああ。空いてるだろ」


プレゼントマイク「さっき個性の勃発で水浸しになった3年がそこ使うってなってんだよ。鉢合わせねぇか?」


相澤「……え?」









あなた「……これ、ちょっと露出が…………」




コスチュームを広げてみて、鏡に自身と重ねて写した。


"顔を隠す"というリクエストに対し、フードを付けてくれているのはありがたい。



……けど。




あなた「……短い」




お腹、出てるんだよなぁ……。



空気抵抗少なくって言ったけど、そういう意味じゃなくて……。





いいか。いったん着てみよう。



ネクタイを取ってボタンを外し、ブラウスを脱ぐ。




着るのも抵抗ちょっとあr__________、







ガチャ、





あなた「え」


?「…………え」






……誰?



青みがかった黒髪と鋭い目つきに尖った耳……。



……いや、誰?





?「っ、、!すみませ




勢いよく壁方を向くのでよくよく考えてみると、自分が下着姿だったと思い出した。





あなた「ああ、こっちこそごめんね変なの見せて……!」


?「…………出で行くんで……






ボソボソ何か言って、スタスタドアの方へ歩いて行く。




……あれ?








フワッ




?「!!!?」


あなた「!あっ……ごめん。濡れてる……よね?」





髪から水滴が滴っているし、制服も濡れている。


1年生かな?個性間違えて使っちゃったとか……。





あなた「着替えに来たんでしょ?私あっち向いてるから……ほら、タオル使って?」


?「え、いや……





断ろうとしたのでタオルを押し付けると、渋々頷いてくれた。


何科だろう……ヒーローっぽくないなぁ。





お互い壁の方を向いて着替える。


コスチュームを身につけると、やっぱりお腹が出ているデザインでスースーする。





あなた「……コスチュームに、フードって……変、かな?」


?「…………俺、フード付いてる、けど


あなた「!!?え、君ヒーロー科なの!?______っ、ごめ……!」





とんでも発言に驚いて振り向くと、彼は絶賛着替え中だった。


濡れた上半身をタオルで拭いている所で、その肌を見てしまったことへの罪悪感に思わず謝る。





?「いや…………俺も


あなた「……え?」


?「見た、し




「見た」…………?




……。





あなた「〜っ、、!!//」





そうだ……下着姿見られたんだった。


そっちが照れるとこっちもなるんだよ……!





?「着替えたから……





脱いだ制服を持ち上げて、扉から出て行こうとする。



思わずその体操服を掴んでしまった。






?「え……、」


あなた「ねっ、ちょっとコスチューム見てよ!」


?「????」






向こうを向いたまま困惑している様子なので一旦離して、私の方を無理やり向かせた。







あなた「はい!変!?変じゃない!?どう!!?」



?「…………、」






彼は心底困ったように顔を歪ませて、恐る恐る私を見る。







?「(ジャガイモだ……この子はジャガイモ…………っ、腹部が出て……!//)」



あなた「?ね、どうかな?相澤先生に見せに行くんだけど変だったらやめようと思って……!」




もし変なら、初対面の彼に見られた方が都合が良い。





?「……いや、大丈夫





クルンッと方向転換して壁の方を向くと、またボソッと言葉を出した。



……人見知り??





あなた「そっか……。お腹出てるのとか普通なのかなぁ」



?「……もう、行ってもいい?」



あなた「あ、うん。ごめんねっ。ありがと…………、あれ、まだ濡れてる……」



?「っっ、」





鼻筋に伸びた前髪から水滴が滴っていたので指ですくうと、思いっきり後ずさった。





ドンッ





そこへ、入ってきたミッドナイトとぶつかり……。






よろけたミッドナイトがその後ろの相澤先生にぶつかる。




……ドミノだ。





プレゼントマイク「あっちゃ〜……よりによってこいつらが鉢合わせたか」





頭を抱えたプレゼントマイクのその前で、相澤先生も同じように顔を青ざめさせている。






……???






ミッドナイト「ごめんね。ちゃんと伝達できてなくて……」


あなた「あっ、平気ですよ〜お互いちょっと見たくらいで」


?「……」


相澤「……その様子だと、こいつが誰だか知らないみたいだな」




……へ?



相澤先生は私の隣に並ぶと、彼に向かって軽く頭を下げさせてきた。





あなた「なっ、なに!?」


相澤「すまん。世間知らずなんだ。ビッグ3の存在も知らねぇ奴で」






……「ビッグ3」??






?「いえ……」



あなた「??どゆこと?」






相澤先生は尚も呆れた顔をして、私のこめかみに拳をあてがうとグリグリと動かした。











相澤「よーく聞いてお前のこの頭に焼き付けろ……。雄英ビッグ3_____3年の天喰だ」







あなた「________っ、、!!?え、3年!?」







相澤「そこじゃねぇだろ」


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