あなた「うんっ。バイト先に一佳が買い物に来てさぁ。そこで仲良くなったんだ!」
拳藤「マジごめんなこいつ……体育祭の時もちょっかいだしたんだろ?」
あなた「平気平気っ。一佳が懲らしめてくれたらいいよ!」
拳藤「ははっ、相変わらずだなあなたはっ。……あんたらさ、さっき期末の演習試験不透明とか言ってたね。入試の時みたいな対ロボットの実戦演習らしいよ」
緑谷「えぇっ、ほんと!?なんで知ってるの!?」
拳藤「私先輩に知り合いいるからさ、聞いた。ちょっとズルだけどっ」
緑谷「いや、ズルじゃないよ……!そうだ、きっと___」
ありゃ、またいずくんのブツブツシンキングタイムが始まっちゃった。
あなた「一佳ありがとねっ」
B組は、A組に対して敵対心を抱いている人も少なくない。
一佳みたいなサバサバした女の子と友達になれた事は本当に嬉しかった。
一佳「ううんっ。じゃあまた話そうなっ」
物間くんを引きずりながら帰っていった。
轟「どうする、ファミレスにでも寄るか?」
放課後になり、荷物をまとめていると轟くんが席から立ち上がりながら声をかけてきた。
あなた「あ〜、うんっ。そうしよ!」
家近いから呼んでもいいんだけど……何もない家だからなぁ。
私も席から立って、鞄を持つ。
轟「あ、教えるのはいいが覚悟しとけよ」
あなた「……え?」
スタスタと先を歩きながら、ゆっくりと振り返った轟くんのその顔は、もうまさに冷酷魔王そのもので……。
あれ、いずくんに教えてもらった方が良かった……?
・
・
轟「そもそも関数っていうのは、y=Xの式を表している。二次関数っていうのはそれが、y=Xの2乗で______」
……国語なの?英語なの?数学なの?
いいや分かんないけど、でもちゃんとしなきゃ!
折角教えてくれてるんだ……絶対合格点とってみせる!
筆記試験は全部で3日間。
前日夜にとりあえず丸々詰め込んで、テストに臨んだ。
相澤「全員手を止めろ!各列の1番後ろ、答案集めて持ってこい」
言われて自身の答案用紙を持ち上げた。
……全部、埋めた。
八百万「お願いしますわ」
あなた「ほーい……ぁ、1問目あってる!」
相澤「おい」
八百万さんの答案を見て飛び跳ねるとギロッと睨まれて、ススススと集める。
緑谷「よろしくっ。なんとかなった?」
あなた「うん……!多分!…………爆豪くん、答案〜」
爆豪「るせぇ分かってんだよ!」
この列キャラ濃いな。
先生の所に持って行って、同じく最後列の轟くんと目があった。
轟「どうだった?」
あなた「うん……赤点は免れたかも!」
「ありがとう!」と素直に伝えると、ここにきて初めて微笑を見せてくれた。
教えてもらってる間は、私の物分かりが悪すぎて機嫌損ねちゃったからなぁ……。
【演習試験当日】
相澤「それじゃ、演習試験を始めていく」
ズラッと一列に並んだ先生達を見て、こんなに集合するものなの……?と疑問に思った。
相澤「この試験でも、勿論赤点はある。林間合宿行きたけりゃ、みっともねぇヘマはするなよ。諸君なら、事前に情報を仕入れて、何するか薄々分かってると思うが______」
上鳴「入試みてぇなロボ無双だろぉぉ!?」
芦戸「花火〜っ、カレ〜っ、肝試しぃぃっ!」
2人が満面の笑みで林間合宿への期待に胸を膨らませていると、相澤先生の首に巻いた包帯も同時に膨らんだ。
?「残念っ。諸事情があって、今回から内容を、変更しちゃうのさっ!」
出てきたのはネズm_____校長先生だった。
なんでここに校長先生が……?
根津「これからは対人戦闘、活動を見据えた……より実践に近い教えを、重視するのさっ!という訳で……諸君らにはこれから、2人1組で、ここにいる教師1人と戦闘を行ってもらうっ!!」
……なんやて。
相澤「尚、ペアの組と対戦する教師は既に決定済み。動きの傾向や成績、親密度……もろもろを踏まえて独断で組ませてもらったから、発表していくぞ」
……ん?
2人1組って……うちのクラス21人じゃ_____。
相澤「まずは、轟と八百万がチームで……俺とだ」
ニヤァっと笑う相澤先生。
……あの人が相手じゃなくてよかった。
めっちゃ苦手だもん。
あ、個性が。
相澤「そして緑谷と______爆豪がチーム」
緑谷「!!?」
爆豪「っ!!!?」
……大丈夫かな?
オールマイト「私が……する!」
降ってきたオールマイトがキュッと拳を握った。
……良かった、オールマイト相手も嫌だし。
相澤「あぁそれから、忘れてたが百々」
あなた「へ?」
相澤「お前今回1人な」
あなた「……なんですと」
淡々と告げられて、皆の頭にクエスチョンマークが浮かんだ。
あなた「え、1対1で先生と……!?」
相澤「んな訳あるか。……1対2だ」
あなた「…………いじめじゃないですか?」
先生って、プロヒーローなのに……2人相手に勝てる訳____。
相澤「佐藤、切島ペアと1対2だ」
……あれ、私教師側?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。