あなた 𝓈𝒾𝒹𝑒.°
「キャハハハッ!!この薄汚れた社会に安寧を!!」
立ち行く黒い煙と、人々の叫び声。
「すぐに人命救助を!!それから________、」
あなた「救助に専念してください!」
「ッ、!?君……ユグドラシル!!」
ったく……今日は早く戻るように言われてたのに。
警察にヴィランを引き渡して帰宅中、また新たに発生した事件。
煙に乗って街を移動していくヴィランを追い、走る。
この煙……私が乗っても普通の煙なのに。
どういう原理だろう。
や、難しい事は分かんないや。
とりあえず__________
「キッキッキキキ!俺がこの世界を変えてやる!!」
あなた「とりあえず止まりなさいっ。」
「!!!?」
ドゴォッッッ!
地面を押し返し付けたスピードで一歩前に出て、その腹部に拳を入れる。
跳ね上がった身体は黒い煙に包まれて、鎧のように固く構築されていく。
煙を操ってる……?
「貴様ァ…………ヒーローめ……社会に粛清を!!」
あなた「________ステイン気取りが、」
結局煙なら、風に弱いはず。
開いた手のひらを宙で翻し、風を作る。
露わになった顔に一撃喰らわせてから、地面に押しつけた。
「ッソ…………なんて馬鹿力だ!」
あなた「む……女の子にそんな事言っちゃダメでしょ!」
とりあえず、警察に連絡を_________、
?「________、あれ……百々さん?」
あなた「……!」
同じくヒーローコスチュームを身に纏った彼は、スタスタと私に近寄って。
その表情に花咲かせた。
真堂「俺、傑物高校の真堂揺。覚えてるかな?」
あなた「___________、」
その顔は、皮肉にも。
やっぱり忘れられない、白雲樹そのもので。
緑谷𝓈𝒾𝒹𝑒.°
麗日「遅いね、あなたちゃん……なんかあったんかな、」
緑谷「うん……もうすぐ時間だけど、」
エリちゃんとも久しぶりに会えると思ったのに、結局間に合わなかった。
上鳴「まぁしゃーないよな、プロヒーローだもん。」
八百万「もう、何歩も先を行かれてしまっています。」
切島「常闇、あなたとホークスと仕事してたんだろ?どーだったんだ?」
常闇「いいや……あそこは早すぎるから。」
緑谷「……?」
コンコンッ
飯田「!!来たぞ皆っ!お出迎えだ!」
ノック音が鳴り、飯田くんが一目散にそちらを向いた。
マンダレイ「煌めく眼でロックオン!」
ラグドール「猫の手手助けやってくる!!」
虎「どこからともなくやってくる!!!」
ピクシーボブ「キュートにキャットにスティンガー!」
「「「「ワイルドワイルド プッシーキャッツ!!」」」」
飯田「プッシーキャッツ!!お久しぶりです!」
皆がそれぞれ駆け寄って、虎から手土産を受け取った。
虎「あん時は守り切ってやれず、すまなんだ……。」
爆豪「ほじくり返すんじゃねェ。」
耳郎「ウチら大丈夫っすよ!ねぇっ。」
障子「どうぞ中へ、」
マンダレイ「あぁいいの!おかまいなく。」
虎「B組にも行かなあかんし__________、」
ドタタタタッ、
ピクシーボブ「!何、?」
切島「お、やっとご帰宅!」
勢いよく空いた扉。
肩で息をするあなたは、僕たちと話しているプッシーキャッツを見てその顔を綻ばせた。
あなた「あ……!林間の時の!!!」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。