第9話
いきなりなんて
.
俯きながら小さく呟かれた言葉
自分への恋は勘違いだと
自分から言ったはずなのにそれを肯定されると
心に穴が空いたようだった
.
そう、今まで通りに戻る
それを願ってたのに声が震えてる
なんで‥
話を遮るように大きな声で
バッと顔上げる
顔を上げたジュニヒョンは
目元を赤く染めて涙目だった
こんな顔したヒョン見たことない
震える手で僕の手をぎゅっと握られる
大きな目に水の膜が張って
今にも溢れそうだ
それを僕は綺麗だと思ってしまった
そんなに必死に伝えられると
動揺を隠せない
本気で、僕を‥?ジュニヒョンが?
名前を呼ばれて握っていた手を強く引かれる
そして
チュッ‥
柔らかいものが唇に触れた
え?え!?キス‥しちゃった!?
間近でジュニヒョンの綺麗な目が
僕の顔を覗き込んでくる
ぱぁっと顔を明るくするヒョン
でも僕はそれどころじゃない//
物凄い勢いでジュニヒョンを振り切って部屋を出た
廊下を走って自室に勢いよく入る
なんでいきなりキスなんかっ
何でこんなに僕の心臓はうるさいんだよ//
何でジュニヒョンからのキスが嫌だと感じないんだ
どうして
本気で僕のことを好きってわかって
安心してる自分がいるの‥??