A side_
「もしかして、眠い?」
ソファーでゲーム画面と睨めっこするニノ。
しかし、しばらくしてニノの瞼が重そうに動くのに気付いた。
ニ「ん〜…眠い、かも。」
「ほら、じゃあもう帰んないと。」
そう言ってニノの荷物をまとめてやる。
だけど、ニノは、
ニ「今日、泊まる…
荷物置いといて…?」
と、ソファーに横になろうとする。
「いやいや、明日仕事でしょ?」
何回かニノが泊まることは今までにあったけど、その日は決まって翌日がお互いオフの日だった。
じゃないと、朝とかゆっくりできないし、俺も急ぐのはそんな好きじゃないから。
だけどニノはもうそのソファーから動く気は無いみたいで…
ニ「…いいじゃん別に。そんな明日収録早くないし。」
「…もう、でも今は寝ないでよ、お風呂まだ沸かしてないから…」
ニ「ふふ、りょーかーい、」
途端にソファーから起き上がるニノ。
…そういうとこ本当昔から変わらない。
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お互いお風呂から上がり、俺が食器洗いをしていると、ソファーでうつ伏せになって寝ているニノに気付いた。
早めに食器洗いを終え、ニノの元へと足を運ぶ。
…もうこんな時間か。
俺はニノの体を持ち上げて、寝室へと運び込む。
そっと枕に頭を乗せさせて、寝室のドアを静かに閉めた。
最近、ニノと居る時間が多くなった気がする。
いや、昔からずっと居た存在ではあったんだけれど、今は比べ物にならないくらい一緒に行動してる。
1日の半分くらいは居る。
…甘えたい時期なのかな?
まぁ、でも楽しいのには変わりないや。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。