辰哉side
月曜日、学校へ着いてすぐ照に呼ばれた。
岩本「ふっかふっか!どうだったんだよ」
ニヤニヤしながら聞いてくるもんだから俺も釣られて少しニヤけながら答えた。
「どうって土曜日のこと?」
岩本「そうに決まってんだろ、で、どうだった?」
「あなたと一緒に買い物に行って〜、んで、まぁご飯作ってもらった」
岩本「ふ〜ん、その後は?」
「その後って別になんもねーよ」
岩本「なんもなくねーだろ、お前ずっとニヤニヤしてっから」
抑えようと思ってもぎゅーってしたこと思い出すとどうしてもニヤけが止まらない。
あの時のあなたかぁいかったな…
「それは内緒。わら」
岩本「俺のおかげだって言うのにそんなこと言うんだ〜、もう助けてやんね〜ぞ〜?いいのかな〜?」
「あー!ごめんごめん!言うから!照のおかげだって重々承知してます!」
岩本「わかったならよし。笑」
「そんな大したことないけどあれよ、その…まぁ…ぎゅーってした…かな。」
岩本「………ぷっ。あはははははっ😂」
「ちょっとちょっとー!なんで笑うんだよ!」
岩本「そんな勿体ぶらなくていいじゃんって思って。でもほんと良かったな。」
「ん?」
岩本「ちょっとずついい感じになってくれて嬉しいよ。」
「おぅ。照ってほんといいやつだな。」
岩本「そんなことねーよ。」
側からみたらたかがぎゅーだけでとか思われる話なのに。
今までの俺らの事を知ってるからか喜んで聞いてくれてるのがわかって嬉しかった。
照ほんとにありがとう。
「俺、あいつより絶対にあなたを幸せにする自信ある。」
岩本「そうこなくっちゃ!」
「そういえばあいつさ…土曜日美弥ちゃんといたんだよね」
岩本「え?」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!