8月3日。夏祭り当日がやってきた。
お祭りが始まるまで2時間ほどある中、
一緒に行く約束をしている人の家に向かった。
ピンポーン
『はーい』
と中から声が聞こえて、ドアが開いた。
そう、今日約束していた相手は三ツ谷隆。
2週間前、夏祭りに行きたいと話していたら、
ってなことがありまして、今に至るんですよね。
そう言って壁に掛けられた浴衣。
淡い藤色をベースに、色とりどりの花が咲いている。
と、手馴れた様子で着付けてくれる。
そう言って、鏡の前でパシャリ。
写真を送ってもらい、さりげなく待ち受けに設定した。
バイクの鍵を手に玄関へ向かい、ヘルメットが投げられる。
と細かいところまで気づいてくれる。
ちょっと気合い入れてヘアセットしたのバレてたかな。
浴衣に合わせられるカジュアルなサンダルで来てよかったと思う。
靴擦れしても三ツ谷ならおんぶしてくれそうだし←
ご機嫌MAXでバイクの後ろに乗り、お祭りへと向かった。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!