あなたside
どうもあなたですᕕ( ᐛ )ᕗ
ついでにコイツは天月。
本名は天月-あまつき-。
呼びにくいので皆も天月と呼びましょう。
なんか子供みたいだけど謎に真剣な顔して天月がこっちみてくる。
なんだよプリンでも食べたいのかこんにゃろ。
渡さんッッ。
だって天月のおでこに『自分も連れてけよ( `ᾥ´ )ふん"っ』って書いてあるもん。
分かりやすすぎかよ。
リスナーの誰かなら死んでる場面なんだろうけどさ。私リスナーじゃないし。
ころんside
いやちょっと休ませてよ。
さっき『さとみくん、待っててね』とか何故かカッコつけて言っちゃったけど、コイツ強すぎなんだよ(_`Д´)_クッソォォォォォ!!
なんだよあの鎌、チートだよ!!
攻撃は塞いでくるしそもそも全く手応え感じないし……!!
それであの余裕の顔が余計にムカつくんだって!!くっそあんにゃろ身長僕より小さい癖に!!!
しかもあれが能力じゃないなら僕の能力使えないじゃん!
折角この前あなたと特訓して制御出来るようになったのに!!
半月前_____…
『└( 'Д')┘ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙』
『やっぱ出来ないってぇ…』
「いーや出来るね( 'ᾥ' )」
「ころんはただでさえ能力の素質があるんだから。さぁもっかいやれ!('ω')」
『うぅ……、分かったよ…』
『【空のように淡きダイヤよ!】』
『【我の災いの元を絶たれよ!!】』
「………」
「……ぉわ、出来たじゃん!!」
『…ぇ?まぁじ?』
「まぁじ!!!」
「まぁ、その厨二病みたいな呪文を言わずに出来たらパーフェクトなんだけどね」
『ぐぬぬ……!』
『僕だって言いたくて言いたいわけじゃないのに…(ฅωฅ`)』
「…お前やっぱツンデレの方がモテるね」
「女の子以外に」
『( 'ω')ファッ!?』
「(^ω^)ニコニコ」
結局あれから3時間。
ようやく使いこなせるようになった僕の固有能力。
それを使える相手では無い今、あの努力を発揮することは出来ない。
……僕は、どうすれば良いんだよ、
ねぇ、さとみくん。
思えばいつも君に助けられていた。
あ、君だけじゃなかった。
ごめんね、頼らないと生きていけないのが人間らしいよ。
僕が人間であることの証明なんだ、許してよ。
完璧になれなかった人間だから、許して。
ね?
《ごめんねぇ?》
その正反対だ。
僕が一番分かってない。
分かろうとしたくない。
他人が苦しんでいるところが大好きな奴らの気持ちなんて。僕には分かりたくもないよ。
僕にだって背負ってきたものくらいはある。
そりゃあ人間だもの。そんなの一つや二つあるでしょ。
それを壊されるなんて、嫌だという感情以外に何が見当たるというのだろう。
灯璃、君が思ってる僕と実際の僕はちょっと違うみたい。
灯璃の正体。
ちょっと知ろうと思ったけど、デメリットもメリットも無さそう。
目の前で相棒の姿を失った僕にはそんなものそもそもどうでも良かった。
それに今知ったとしても勝てないことには変わりない。
実際今だって。
銃の弾はストック含めてあと13発。
がむしゃらに撃ちまくってた少し過去の自分を恨む。
灯璃は仰向けに倒れた僕に覆い被さるように上に乗っている。
そこどけよ。
そこに乗るのを許してるのは酔ってる時のさとみくんぐらいなんだよ。
どけよ。
着ている服も鎌で攻撃されているうちにいつの間にか切れている所がいくつかあった。
その切れ目からは自分の血が滲む傷跡が見える。
大きな出血をしていない。
あの大きな鎌ならそれくらい有り得たのに。
灯璃が僕を殺そうとしなかった。
生かしておいてくれるのか、じわじわ殺していくつもりなのか。
そもそも殺すつもりなんて更々無いのか。
考えるほどどうでもいい。
頼むから、さとみくんだけ返してくれればそれで良いんだ。
正直宇宙人達で疲れたから、寝たいから。
…もういいや。
僕は灯璃の心臓にナイフを突きつける。
左足に隠していたナイフ。
最後の切り札。
続く
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。