Mark side
練習室に来た 。
爆音で曲が流れるのを聴いたってのもあるけど ,
何より 流しているのがあなたであり ,
音楽にのまれる程 練習しているのなら
僕がその気持ち
人一倍 分かってあげられる気がした
これがホントの理由なのかも。
ドアからこっそり練習室を覗けば
僕の勘は当たっていて ,
あなたは疲れ果てながらも踊っていた。
『 僕と同じ 。 』
そう , 久しぶりに思った。
そう呟いては
練習室の音楽をBluetoothで繋げた僕のスマホで止め ,
練習室に1歩踏み出した。
途端 , 僕とあなたの目がバッチリ合って
︎︎ ︎︎
なんて , きっと君が欲しがってるだろう言葉を言った。
勿論 , 本心で 。
だって きっと君には
「 お疲れ様 」 より 『 ダンスが本当に上手い 』 って
認めてあげる方がよっぽどいいでしょ ??
そうやってよろよろと立ち上がるあなたに
僕はぎゅっと ,
抱きしめた 。
なんて 僕が言えば
君はそっと ,
抱きしめ返してくれる。
何言ってんの ,
僕は何もしてないよ 。
そう言って背中をさすると
僕の肩はじんわり , 熱を持ち始めて。
そのまま優しく , 君を抱きしめていた 。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。