「 やめてしまえ 」
「 いる価値ない
「 出ていけ 」
「 下手くそ 」
「 しね 」
底知れない上, 真っ暗な空間に
ずぶずぶと足をとられていく 。
それはまるで沼のようで。
でも 特別凶暴な動物が潜んでいる訳でもない。
" このままいていいのか "
" 動かなくちゃ "
" 逃げなきゃ "
そう思えば思うほど足はとられていって
前に進むことなく
自分の体は奥底に沈んでいくだけ。
" ここは何処 "
" 助けて "
叫ぼうとしても息しかもれない空間に
私一人 , もがいていた 。
ぇ …… ねぇ っ
ぉきて …… !! ねぇ!!
「 あなた!!起きて!!! 」
何 ,
一体何が起こっているの 。
さっきの空間はなんだったんだろうか。
思い出すほど気持ち悪く、
気味が悪い。
息が整ってくると 少しずつではあるが
あった事が思い出してくる。
そう ,
練習室でマークさんに見つけてもらってから
私が頭を捻らせて
ぼぅ っと床を見ていた時。
がちゃ
そんな音と共に入ってきたのは
少しはにかみながら私の顔を覗く
ゆうたさんだった。
私の横に ぽす , と座るユウタさん。
振動で長い髪の毛がなびくと
共にいい香りが私の鼻をくすぐる 。
鼻が すっ と高くて
フェイスラインも綺麗に形を出していて
私が見るのには勿体ないくらいの横顔。
らしくないけど。
私は少し目元を細め ,
頬を緩めてそう言った 。
ふふ と俯いて笑う私に
ユウタさんは反対に上を向きながら
「 これから厳しくなるで 」
先程とは変わった真剣な声で
そう言っては , 立ち上がった。
気付けば少し前までいたテヨンさんはいなくって
ユウタさんもドアノブに手をかけているところ。
他人の部屋に1人で居るおかげで
" 独り "
それをベッドの上でひしひしと感じながら
もう一度 ,
今度は いい夢を 。
私はゆっくりとまた眠りについた。
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前回のアンケート,127票‼️も投票して下さり有難う御座います♡
ほんの誤差で "毎日更新" という結果となりました!
"1日2話" も多かったのでそういう日もちょこちょこ作って行けたらと思っております^-^♡
毎日更新▶️金曜日のみ2話更新 という形でもありなのかな… なんて思ったので ,
1ヶ月に数回その予定で行こうと思います!♡
読者の皆様と仲良くしたいので…沢山のコメントお待ちしております♡
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!