第10話

離れていく者達
47
2020/08/15 07:14
鳳瑞蓮
もう…
生きる気力のない今の俺が…この世界でいるのは勿体ない。陸斗ならきっと…俺なんかよりもしっかりしてて…こんな時にでも笑ってみせてくれるんだろうな…でも…もう優しい陸斗はいない…俺の隣には…もう…
鳳瑞蓮
はぁ…いっその事…死ねたら…
???
君みたいな才能を持ってる人に死なれたら困っちゃうなぁ…
蓮は驚いて振り向いた
鳳瑞蓮
い、いつからそこに…!
???
ん?どうだろう…わっかんない☆
???
はぁ…「わっかんない☆」じゃねぇだろっ
???
あっははぁ♪
鳳瑞蓮
(誰なんだよ…こいつら…)
???
良くぞ聞いてくれたっ!僕の名前は七瀬涼音(ななせりょうと)だよっ☆
鳳瑞蓮
いや、聞いてねーし…しかもそのいちいちキラキラするの辞めてくれ…目が痛む
七瀬涼音
まぁまぁ〜、そう言わずにぃ奥さぁん
鳳瑞蓮
奥さんって誰だよ!あと引っ付くなっ!
蓮は涼音のハグを避けた
七瀬涼音
んもぉ〜。せっかく励まそうと思ったってのにさぁ〜
???
すまん、こいつが失礼な真似を…
七瀬涼音
失礼ってなんだよっ!
鳳瑞蓮
ぷっ…はははははっ!
???
ど、どうしたんだ?
鳳瑞蓮
すまん‪w面白くてつい…
七瀬涼音
なんだぁそういう事かぁ♪よかったよかった☆ね、柴
涼音は柴と言う男の方を見てそう言った
鳳瑞蓮
柴?
???
あぁ、すまない、柴は俺だ。申し遅れたが、俺は柴奏夜。(しばそうや)宜しくな
鳳瑞蓮
そうだったのか、だが…涼音は奏夜の事、名前で呼ばないのか?
七瀬涼音
うん♪僕達の作ってるチームは苗字で呼ぶってルールなんだぁ☆変わってていいでしょ!
鳳瑞蓮
へぇ…
柴奏夜
なぁ、急で悪いんだが…俺たちのチームに入らないか?
鳳瑞蓮
え?
柴奏夜
あっ、いや…嫌ならいいんだ。でも、こうして飢え死にするぐらい弱ってるのに助けないわけにはいかなくてな…
鳳瑞蓮
だが…俺には…
七瀬涼音
分かってるって、君にはこれまで支えてくれた仲間がいるんでしょ?
鳳瑞蓮
あ、あぁ…
七瀬涼音
分かってはいるんだけどさぁ〜、自分が辛い思いしてまでここに居続けるの?
鳳瑞蓮
どう…だろうな…
七瀬涼音
陸斗って人、生きてるって思う?
鳳瑞蓮
え?いや…それは…
七瀬涼音
なんかさぁ、秘密部隊?って人達が、陸斗って人の死んだ譴責がない〜って騒いでたんだけど…
鳳瑞蓮
っ!それは本当なのか!?
蓮は涼音の肩を掴んで叫んだ
七瀬涼音
え…うん、そう言ってたけど…?
鳳瑞蓮
そ、そうか…
蓮は体勢を崩していった
鳳瑞蓮
よかった…なら、陸斗はまだ…
柴奏夜
俺たちと、その陸斗って人探さないか?
鳳瑞蓮
え?
七瀬涼音
僕達のチームに入れば絶対見つけてあげる。そ〜れ〜にぃ!チームに入れば陸斗って人の事も君の事も守るよっ!
鳳瑞蓮
何か…裏があるのか?
七瀬涼音
え?普通じゃない?チームの仲間を守るのってそんなに変なの?
鳳瑞蓮
お前達…優しいんだな
涼音と奏夜は顔を見合わせると、クスッと笑った
鳳瑞蓮
な、何がおかしいんだよ
柴奏夜
いや、嬉しくてな‪w
七瀬涼音
よぉ〜し!じゃあ君は僕達のチームに入るって事で決定だね☆
鳳瑞蓮
え?
柴奏夜
じゃあまず名前はなんて言うんだ?
鳳瑞蓮
鳳瑞…蓮だけど…
七瀬涼音
よし鳳瑞!これからは僕達の事七瀬と柴って言ってね♪
鳳瑞蓮
え?あの…
柴奏夜
よし!みんな、陸斗って人見つけるぞーっ!
七瀬涼音
ほら!鳳瑞も一緒に!
鳳瑞蓮
まっまって…
涼音は蓮の腕を掴んだ
柴奏夜
おーっ!
七瀬涼音
お〜っ♪
鳳瑞蓮
お、おー…
こうして蓮は言われるままに涼音達のチームに入ったのだった
唬散華実鈴
言い難い事だ…1度しか言わない…実は…な…
唬散華は息を呑んだ
唬散華実鈴
また…怪物が現れた…
ドンッ!っと林檎が机を叩く
季羽林檎
はぁ!?じゃあ陸斗は何の為に…!
唬散華実鈴
すまない…外にいる怪物は全て倒されたんだ…だが…私達の見えない所で…怪物達の卵があって…
冬夜
怪物が産まれた。しかも前よりももっと数が多い…だよね?
唬散華実鈴
そうだ…
赤羽空翔
そんなっ
季羽林檎
っなんで…じゃあ陸斗は何のために殺されたのよ…なんで蓮があんなに悲しむ事に…全部あんたのせいよっ!あんたのせいで…
実里響也
落ち着け林檎…!
唬散華実鈴
本当に…すまない
季羽林檎
謝って許して貰えるとでも思ってんの!?ばっかみたい…
夜空
季羽さん…でも確かに、もっといい方法があったはずです。なのに…
唬散華実鈴
佐田陸斗なら…あの性格なら…私の案にも乗ってくれると…
季羽林檎
はぁっ!?
林檎は思い切り唬散華の服を引っ張った
季羽林檎
陸斗の事そんなコマみたいに思ってたわけ!?許せない…あんたなんて…あんたなんて…!
赤羽空翔
駄目だ林檎、お前も唬散華のような人を陥れる真似をする気か?
季羽林檎
でも…
実里響也
いいから落ち着くんだ…今俺たちにできる事は魔物と戦う事だ。蓮をまた悲しませないように…な…
季羽林檎
っ…
林檎は冷静になると、唬散華の服を引っ張っている手を離した
冬夜
じゃ、まずはすぐ近くにいる魔物を倒していこっか
そう言うと冬夜は出ていった
赤羽空翔
行くぞ
夜空
は、はい
実里響也
林檎、行こう
季羽林檎
…わかった…でも、唬散華、あんただけは絶対に…許さないから
唬散華実鈴
はぁ…参ったな…みんなにも嫌われるとはな…
滝宮玲斗
大丈夫か?
唬散華実鈴
あぁ…すまんな
滝宮玲斗
これから…どうするんだ?
唬散華実鈴
もう…私達に出来る事は…無いかもしれんな…
滝宮玲斗
そう…だな…
唬散華実鈴
久しぶりに酒でも飲まないか?
滝宮玲斗
こんな時にか?
唬散華実鈴
いいだろ…どうせ最後だ…
滝宮玲斗
はぁ…わかったよ…

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