第5話

告発
454
2021/11/26 14:56
グルッぺンに呼び出され、総統室へと向かう。
本当はもう少し急いだ方がいいのだが、あまり早すぎるのも僕らしくない。
まぁ総統室に近づいてきたら急いでる感を出せばいい。




―グルッぺンside

[総統室]


トントン
トントン
遅い!
鬱を呼び出して10分ほど経つが、未だ現れる気配はない。
隣ではなかなか現れない彼に痺れを切らしたトン氏がイライラしている。
グルッペン
グルッペン
まぁ、そうイライラするな
トントン
トントン
そうは言ってもグルさん!
トントン
トントン
いくらなんでも遅すぎるやろ!
トントン
トントン
鬱の部屋からここまでそんなに時間がかかるか?
グルッペン
グルッペン
部屋にいるとは限らないのではないか?
確かに鬱は書類を受け取り部屋へ戻って行ったが、常に部屋にいるとは限らない。

いくら叱られたばかりとはいえあいつにそんな集中力があるとは思えないしな。
グルッペン
グルッペン
まぁそう焦らずとも来ないわけではないだろう
トントン
トントン
それはそうだが………
なんてことを話していると、ガチャとドアが開いた。




―鬱side

総統室の前に着く

中からは僕の到着が遅いことに怒るトントンと、それを宥めるグルッぺンの声が聞こえる。

僕はさも急いできましたよと言う感じを演出しながら乱暴にドアを開ける。

そこにはグルッぺンとトントン、そして何故かロボロがいた。

鬱先生
鬱先生
ごめーん
遅なった〜!
トントン
トントン
遅い!
入った瞬間トントンからの叱責が飛んでくる。

グルッぺンとロボロが視界の端で苦笑しているのが見える。
鬱先生
鬱先生
ごめんて〜
鬱先生
鬱先生
ちょっと散歩に出ていたもので(๑>؂•̀๑)テヘ
トントン
トントン
(๑>؂•̀๑)テヘ
ちゃうわ!💢
トントン
トントン
書類は終わらせたんか!?
鬱先生
鬱先生
え〜
あれ提出期限まだ先じゃーん
トントン
トントン
どうせ遅れるんやから先にやっとけ!
というか、提出期限は最低ラインや!
トントン
トントン
期限よりも早めに終わらせとかんかい!
鬱先生
鬱先生
うへ〜…………
こりゃ相当ご立腹ですな。

……適当に流しておくか。
鬱先生
鬱先生
ところでグルちゃん
なんで呼び出したん?
鬱先生
鬱先生
しかも僕個人で
チラッとロボロに視線を向けながら問う。

グルッぺンは机に肘をつき顎に手を添えながらその視線に目を向ける。
グルッペン
グルッペン
ああ、ロボロから少し話があるようでな
グルッペン
グルッペン
俺も興味があるので同行させてもらう
ロボロはよく監視室で軍を監視している。

なにか僕関連のことがカメラに映っていたのだろう。

まぁ、粗方予想はつくが……
鬱先生
鬱先生
ロボロ?
どしたん?
ロボロ
ロボロ
あぁ、今日カメラを見てて気がついたことがあってな…
鬱先生
鬱先生
おん?
ロボロ
ロボロ
これを見てほしい
そうして見せられたのはある静止画で、そこには朝僕の陰口を話していた一般兵4人と、少し離れたところに書類を持った僕が映っていたいた。

やっぱりな、と思いつつ僕はとぼけてみせる。
鬱先生
鬱先生
一般兵?
こいつらがなんかあったんか?
ロボロ
ロボロ
あぁ、再生するで?
そう言ってロボロは動画の再生ボタンを押した。

画面には僕の悪口を言い合う一般兵とその近くをゆっくりと歩いていく僕の映像が流れた。
鬱先生
鬱先生
うへー
僕こんなん言われてたん?
鬱先生
鬱先生
しっかしロボロもそれを張本人の僕に見せるなんて相変わらず心ないやっちゃなー……
ロボロ
ロボロ
……………
少しとぼけつつ煽ってみる

だが、ロボロは何も言わず、神妙な顔持ちでじっと再生し終わった画面を眺めていた。
グルッペン
グルッペン
ロボロ?
グルッぺンに問いかけられロボロはやっと口を開く。
ロボロ
ロボロ
なぁ大先生
鬱先生
鬱先生
ん?
ロボロ
ロボロ
お前、これ悪口言われとること気づいてたんとちゃうか?

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