塾の帰り道を歩いていると見慣れた人が居た
なんだか揉めてるようだった
優空くんだった
たくさんの人に囲まれて殴られていた
リンチと言うやつだ
そう思って飛び出したのはいいけれど喧嘩なんか1度もしたこと無かった
怖い。
男たちはぞろぞろと帰っていった
優空くんの腕を肩にかけて歩きだす
案内して貰い着いた
家に上がらせてもらい部屋まで運ぶ
優空くんの部屋から出てリビングらしき所に行く
ドアを開けると
お母さん......
どうして?
もしかして...優空くんのお母さんって......
僕のお母さんだった人...
お母さんの顔はだんだん憎しみの顔になっていく
それだけ言って走って逃げた
男の子だから愛して貰えなかったんじゃない
僕だからだッ
優空くんは悪くないのに、僕、優空くんに怒ってる...
優空くんが僕のお母さんを取ったって
また、この感じ...
頭が真っ白になる
なんだか心が......ボロボロって、崩れてく
ぎゅぅって縮まったのが縮まりすぎて......
家に着く頃にはもう
考えることを放棄していた
--------キリトリ線--------
本当は、誰にも会いたくないからなんだけど
部屋に入ってすぐに勉強を始める
勉強だけが逃げ道
また目がかすみだす
少し寝よう
そう思って立ち上がった時
いや、立ち上がれなかった
バタッ
立てない...
床に寝転がったまま寝た
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。