ななもりside

バタン

『俺は、自分から死ぬつもりだったからな』

じゃあ、なんであの時助けを求めたのさ。
生きたかったからでしょ、
もう、もう大丈夫だから。大丈夫。
俺が守ってあげるから。
だからもう二度と『死ぬつもりだったから』なんて、言わないで

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さとみside

バタン

俺、これからどうしよ
この家に住ませてもらったのは感謝だけど
ずっと人間の血を吸ってなかったし、このまま血を吸い続けなかったら俺、死ぬんじゃね。ななの血、吸ったらきっと逃げるだろうなぁ怖がられるよなぁ
俺、どうすればいいんだよ

もっかい寝てしまおう。

もしかしたら起きたら死んでるかもしれない

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ななもりside

お粥できたけど、どうしよう、少し焦げた
これじゃあ、食べて貰えないのでは……

ガチャ

寝てる…
さっきも寝てたのに、でもぐっすり寝れなかったと思うし仕方ないか。

お粥を近くのテーブルに置き、ゆっくりとベットに腰かけた。

口を開けてすやすやと寝ているさとを見て、安心した。
ぐっすり寝れてるようだ…

ものすごく綺麗な形に鋭く尖っている歯を、俺は初めて見たかも、すごい

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さとみside

っぶねぇ、怪しまれた、か？

大丈夫みたいだ。でも、気をつけないとな。

パク

だよな、そりゃ驚くよな。
当然だ

あぁ、ダメだ…言えない……!!
吸血鬼は、まだ子供の時は定期的に親が人間の生き血を与えなければならないのだ。でも、俺の親は体が弱くて、人間から、血を奪うことが出来なかったんだ。それで俺は、血の欲しさに親を、自分の親を、噛み殺したんだ……。

あぁっ、言いたくない…!!
このまま何も言わず、ただ黙っていればよかったのに!!
ななは、ななは、俺を助けてくれた恩人なんだ。 
ななだけには、俺…、

あぁ、終わりだ。













ななは、もう俺を、人間として見ない。