第4話

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2021/10/04 05:54
落ち着いているように装って類との電話を切ったつくし。
だが、頭の中はパニック状態だった。
つくし
つくし
伝えたいことって・・・!絶対≪アレ≫のこと、だよね・・・。
つくし
つくし
ってことは、私これからフラれに行くんだ・・・。
これからフラれるんだから服は適当でいいや、と、グレーのパーカーにジーンズという格好で外に出る。
階段を降りて下につくと、前の花壇に腰かけている花沢類の姿が。
つくしに気づいた類が立ち上がる。
緊張しながら類のところまで進むと、
類
牧野。
つくし
つくし
う、うん。
類が例の箱を取り出す。
類
これが、今の牧野の気持ちだって思っていいんだよね?
つくし
つくし
えっ?
類
だから、これ、牧野からの『告白』でいいんだよね?ってこと。
と、≪アレ≫の意味を確認させられ、
つくし
つくし
えっ?
類
さすがの俺でもこれ見たら気持ち気づくよ。だから、その返事しようと思って。
と言われ、
つくし
つくし
(ああ、とうとう来たんだ。これで類とはもう話せないな。)
これから来るであろう言葉を想像して、うつむき目をぎゅっとつぶる。
ふぅっと息を吐く音がしたかと思うと、
類
つくし。
と呼ばれ、その声にその名前を呼ばれたことに驚いて顔を上げると、唇に温かい感触が触れていた。

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