陽炎パレス4日目
大広間に灯のメンバーが集められた
少女たちは、また訳の分からない授業を聞くと思い、憂鬱な表情を浮かべていた
だが、心の内では起死回生の期待を捨てきれていなかった
1度目の授業は何かの間違いで、今度こそ本当の講義が始まるかもしれない
___そんな縋るような希望だ
全員がソファーに腰をかけたところで、クラウスがやってきた
少女たちの前に堂々とした態度で直立する
腕組みして、目を閉じて、黙り込む
瞑想のように
10秒時が流れた
と、少女たちかわ思い始めたところで、ようやくクラウスが口を開いた
白髪の少女が手を挙げた
茶髪の少女が気弱な声で呟く
クラウスは首をひねった
クラウスは黒板に大きく文字を書き込んでいく
簡潔な一文
『僕を倒せ』
クラウスはチョークを放り投げる
陽炎パレス・共同生活のルール
㉘ボスに「降参」と言わせた者は、報酬を獲得できる。
㉙前項において、時間、手段を問わない。
㉚最低、十二時間に一度の襲撃が望ましい。
やっぱ増えてる...
_____そして襲撃をしてみることになった
最初の襲撃は予告通り、十秒とかからず、少女達が倒され、その後も少女たちは敗北を繰り返していた
就寝時でも、少女が一歩部屋に忍び込めば起床する。
クラウスが通る廊下に罠を張れば、あっさり解除する。
小細工抜きに正面から襲い掛かっても、全員手錠で捕まえてしまう。
黒髪の少女が色っぽく「先生……今晩、私のベッドで楽しいことしない?」と誘惑すれば、チェス盤を持って訪れ、部屋に潜んでいた少女たちを叩き伏せたあと、チェスの多面打ちでさらに負かしてくる始末
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。