とても美しくて、寂しそうな瞳。
この教室に、
一輪の薔薇が咲いているように思えた。
なぜか俺は無意識に、
あなたちゃんの頭を撫でていた。
するとあなたちゃんの顔は
みるみる赤くなって…。
なんか俺も照れてきちゃった。
こんな可愛い顔みたら、
誰でも好きになっちゃうよ。
なんでそんな顔するの。
俺だけに見せてよ。
この時俺は思った。
好きなんだ。あなたちゃんが。
けど、このまま終わっちゃったら、
もう二度と会えないかもしれない。
そう思い、思い切ってLINEを
交換することにした。
俺はスマホとマイネームペンを持って、
あなたちゃんのもとへ走った。
あなたちゃんが近づいてくると、
あなたちゃんの手を取って、
俺のLINEのIDを書いた。
そのとき、あなたがにっこり笑顔で
笑った。
そのとき、薔薇の棘が
俺の心にグサッと刺さる気がした。
俺、一目惚れしたんだな。
あなたちゃんとなら、
どこまでも行ける気がする。
俺LINEのID渡せたぁぁぁ!!
って俺またねとか言っちゃったけど、
また、会えるよね??
と思い、ロケ車に乗った。
ちょっと遅いけど、
これが俺の青春の始まり。
だったのかな。w
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。