話している間、ずっとヌナの声は震えていた
けど泣かずに
コーヒーの入ったコップを見ながら淡々と話した。
何となく、分かっていた
聞かなくてもヌナの行動や話し方を見ていれば
簡単に想像できた
ヌナにはもう家族が居ないことが。
話が終わるとヌナは2人分のコップを片付けて
晩ご飯の準備をはじめた。
もっと他にかけるべき言葉があったかもしれない
それをヒョンだったら迷わず言ってヌナを安心させていたかも
けど、俺はそれが何か分からないから。
家族の仲も友達の数も頭の良さも全然違う
性格だって正反対な俺とヌナ
だけど、今日初めて見つけた共通点
お互い1人ぼっちだとういこと。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!