パリーン!!!
今日も怒鳴る声と皿の割れる音が部屋中にひびく
バシッ!!!
顔を殴られたけど今は痛みよりもむなしさが強い。
毎日毎日、学校が終わると家事をやらされる
まだ中学生だから家を出れないしバイトもできない
父親に従うしかない。
母親は俺が小学生の頃に出ていった
それからはずっと父親から暴力を受け続け
我慢し続けた。
必要な分のお金を投げられる
今は夜中の2時。
こんな時間じゃ空いてる店はコンビニぐらいだし
どうせ行ったって未成年にはお酒なんか売ってくれない
追い返されるだけだ。
手ぶらで帰ったらまた殴られる。
俺はすぐに帰りたくなくて公園のブランコに座った
もう少し我慢すれば中学校を卒業できる
そしたらすぐにバイトでお金を貯めてあんな家出てってやる
ポツポツ…ザー(雨
濡れるのは嫌だけど家に帰るのはもっと嫌だ
頭がボーッとする。
声と同時にさっきまで打ち付けていた雨はやんで視界には誰かの足が見えた。
顔をあげるとそこにはビニール傘をさしたロングヘアのお姉さんがいました。
そんな事って…
この人ほんとに誰。
バタッ(((
そこからの記憶はない…。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。