第64話

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2023/02/09 05:46


真緒side











木の影に手をつなぎながら頭を寄せて寝ているふたりが見えた。













『衣更先輩が知ったような事言わないでくださいっ...』











『先輩に私の何がわかるんですか』


















わなんないよ、そんなこと。





高校からはほぼ男子校みたいなもんだし、
女子との絡みなんて妹とあんずくらいで
女の気持ちどころか接し方もわかんない。










あなたは歳も一個下だし、妹みたいで可愛いって思ってた。
最初は何か抱えている子なんだなって思った。
無理に聞き出すのも良くないと思い、自分から聞くことは無かった。


でも、凛月と関わるようになって
そのなにか抱えてそうという雰囲気が無くなった。





気づいたらあなたは凛月のそばにいた。









正直凛月があなたのこと好きなのも薄々感じてたっつーか...なんというか。










でも、俺は2人とも好きだ。



だから祝福するべきなんだと思う。











けど、耐えられないくらいに胸が苦しい。











...今更言っても遅いだけ。そんなのわかってる。






















鳴上嵐
ちょっと...泣いてるじゃない...
衣更真緒
...え







俺は無意識のうちに涙を流していた。

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