何?コレ
初めましてあなたです…
今、
私のタブレットに怪しいメールが来ています。
内容は…
『八百万あなた、君は生まれる世界を間違えたと感じたことはないかい?』
いや、なんで?
なんで、私のメール番号と私が八百万あなただってこと知ってんの?
ん?ゲームへの直接アドレス…?
乗って見る?ブラフでも多分大丈夫でしょ…
チェス?なんで〜?
このゲームさ二人零和有限確定完全情報ゲーム
でしょ?
※二人零和有限完全情報ゲームとは
運という偶然が差し込む余地ののないゲーム
一応、世界最強のプロゲーマータンジー
なんだけどなぁ~
何?こいつ…強いじゃん!!久しぶりに殺りあえる!!
ーー約5時間後ーー
チェックメイト
やったやった!、勝てた!
こんな対戦久しぶりすごく楽しかった!
また相手して欲しいな!どんな人だろ…
テロリン🎶
さっきの対戦相手?✨
『おみごと。それほどまでの腕前、さぞ世界が行
きにくくないかい?』
生きにくい…か
『対戦どうもありがと。ところであなた何者?』
ほぼ即座に文面が届く
『君は、その世界をどう思う?楽しいかい?行き
やすいかい?』
生きやすくはない
だからヴィランが出てくる
ヒーローが死ぬ
ヴィランに対抗すべく優秀な個性を産もうとする
【クソゲー】だよ
良い個性だった故に
死ぬ程の訓練、鍛錬、完璧を強いられ
プレッシャーが来る、嫉妬される
没個性、無個性だった故に
人と違うから劣っているから
どれだけ努力しても、認められない
いじめられる、バカにされる
産まれて来たことを憎まれる
目的も分からず生まれた時の個性の運によって
自分の価値が変わる
そんなゲームに比べたらどんなゲームも簡単
『もし 単純なゲームで全てが決まる世界があった
らーー』
『目的もルールも明確な盤上の世界があったら、
どう思うかな?』
そんな、そんな世界があるなら
『確かに、そんな世界があるなら、私は生まれ
る世界を間違えたかもしれないね』
と返信する
するとパソコンやスマホの画面に微かなノイズ
が走り。
同時、ブレーカーが落ちたように、バツンっと
音を立て部屋の全てが止まる。
唯一、メールが示されていた、その画面を除いて
ノイズは激しくなり
ついにはテレビは砂嵐のように。
そしてスピーカーから、、、
いや、、、画面から音声が帰ってきた
唐突に画面から白い腕が生える。
画面から伸びた腕は私の腕を掴む。
抗う余地もない力で私を引きずりこむ。
画面の中へ
そして
白く染まる視界。
ようやく光になれつつ
ある瞳に飛び込んだ景色から理解した
そこは 【上空】 だった
視界に広がった広大な空間。
いやいや
なんで?なんでドラゴンがいるの?
誰かの個性?
それともゲームの中に人を入れる個性?
待って、今気づいた私落ちてんじゃん
あと隣で叫んでる人達誰?
こ、個性…羽
ポンっと音をたてながら煙とともに羽が現れた
よし!
まだ生きれる
異常な景色を背景に【少年】は腕を開いて笑う
ようやく状況を把握したのか、目を見開いて、
泣きそうな顔で男に抱きつく少女
精一杯の講義を叫ぶ少女
だが相変わらず楽しそうに笑って少年が言う
そう言い巨大チェスを指差す少年
神様?
何言ってんの?
この子
白と言う子の手を抱き込むように
意味があるかはわからないが
自分を下にする男
そして声にならない声で、男の胸の中で絶叫する
白と言う子
そしてそれを見ている私
そんな三人に、神を名乗る少年は
楽しげに告げる
そうして知らない男と白と言う子は気絶した
そう言いながらやっと起きる男
自分が崖っぷちに立っていることに気づいて
慌てて後ずさっていた男
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!