第75話

65話
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2020/09/01 12:46
ガチャ
雄英体育祭も終わったため、昔の両親がいる家に入った。
否、入らなければならなかった。
玄関の戸は開いていて。
血の匂いがそこら中に漂っている
鬼の血の匂いも僅かにするが、これは人間の血の方が多い。
そんなこと考えてる場合じゃない
『お母さん、お父さん?』
『ねぇ。ドッキリ?サプライズ?こんな血の匂いされて、戸も開けたままで警察くるぞ?』
『なぁ。返事してよ。』
『ねぇってば!!!!!!』
シーン
『ッチ』
『服も何も無いのかよ。』
『また…助けられなかったのかよ。』
『前世では私が留守にしていたせいで鬼に襲われ鬼になった。今世では…やっと、やっと一緒にいられると思ったのに。また、また助けられなかった。』
『柱なんていう称号貰っておいて。自分の親も救えないのかよ。柱…失格だな。』














『ハハッ』
『…』











『グスッ』
『あぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』











鴉「あなた。」
『………ごめんな。お館様に手紙書くから渡してきてもらえるか。』
鴉「辞めるの?」
『辞めはしないよ。柱……辞めるだけ。』
鴉「そっか…あなたが決めたならそうするしかない」
『有難う』
お館様へ

昔の両親が、鬼に襲われ亡くなりました。
手紙での御報告になったこと深くお詫び申し上げます
そしてそれに伴い、私夢咲あなたは
鬼殺隊の柱を辞任させて貰えますようお願い致します
誠に勝手なことではございますが、
どうかお許し下さい。
引き続き鬼殺隊での任務は努めさせていただきますゆえ、よろしくお願い致します。
また、雄英の護衛も引き続きやらせていただきます。
又、明日改めてお館様の御屋敷にお邪魔させて貰うこと、お許しください。

元夢柱 夢咲あなた
『じゃあ頼んだよ。』
鴉「ワカッタ」
Prrrrrr.Prrrrrr
『もしもし?後藤?』
後「なんだー?わざわざ電話なんかしてきて」
『今から家来れるか?血の処理を頼みたい。』
後「は、」
『急いでくれよ。じゃあ』
[あなたのせいよ?]
[また、助けられなかったの?]
[酷い子ね]
[やっぱり柱はコネでなったんじゃない?]
[あー、親に頼ったやつ?]
[本当は弱いんでしょ?]
[心も身体も]
『違う。私は弱くない…違う。違うっ!』
『はぁはぁはぁはぁはぁはぁ』
『コネなんかじゃない、お父さんに、お母さんに見てもらって…私は…私はっ!』
後「おいっ!」
『後藤…』
後「大丈夫か?いや、大丈夫じゃないな。」
『すまない。』
後「…」
『1人できたのか?』
後「その方がいいんじゃないの?」
『まぁ。』
後「じゃあ、いいか?」
『嗚呼。見る度に思い出してしまいそうだ。』
後「ん。あ、それとこれ。ここ行くといいよ。」
『は?』
後「村田いるから。落ち着くんじゃねぇの?」
『…ん。』
後「悔しいけど…そうするしかねぇんだよな。(ボソッ)」
『なんか言ったか?』
後「いーや!じゃああとは任せてくれよ」
『助かる。有難う』
後「おう!」

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