第46話

38話
13,110
2020/07/23 13:38
上弦の零
名前は朱羅と言っていた
男で細い体をしていたが体力は底知れなくて
長期間人を喰っていなくても全くと言っていいほど動きが鈍らない。
あいつとは2回ほど対戦している。
1回目は私が鬼殺隊入ったばかりの頃で
突如としてあいつが現れた。
その頃のあいつは謎のスランプらしくて
しばらく人を喰っていなかったらしい。
それなの2回目対戦した時とほぼ動きが変わっていなかった。
最初の対戦の時は私の鎹ガラスが応援を呼びに行って他の柱が来る前に、斬られる前に逃げてしまったが。
2回目は最終決戦の時だった。
他の人は他の上弦の相手をしていて
朱羅の相手は私と一般隊士が何人か。
でも私は柱として一般隊士を死なせる訳にはいかないし。無惨との対戦に応戦できなくなってしまうのは辛かったが、ここで私がこいつを斬らなきゃいけなかったから、私は終ノ型を使った。
朱羅は昔親に虐待をうけていたと聞いた。
そんな時に無惨と会って鬼になったらしい。
その時に無惨に言われたのが
「鬼になれば貴様は強くなる。強くなれば虐待されずに暮らせるぞ。」
だったらしい
朱羅は両親を憎いとは思っていたのだが
親は親。とっても小さい頃可愛がってくれていたのは覚えていたし、殴る時母が泣いていたのも知っていた。
だから殺そうなんて。喰おうなんて。その時は思っていなかった。
けどいざ鬼になると理性が制御できなくて
両親を喰ってしまったと。
それで珠世様のようになればよかったのだが
あいつは違った。
人を喰らうことに愉しさを覚えたらしい。
それで…上弦までになるほどに人を喰った。
けど塵になる時
「…ごめん。」
って言ってたんだけどなぁ。
私の勘違いかなぁ。
でも本当に今の鬼の長が朱羅なんだとしたら。
私がしっかり責任を取らなければならない。
私が…この手でもう一度。
彼奴の頸を斬らなければ。

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