第76話

66話
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2020/09/02 12:54
『あー、もしもし村田?』
村「ん?」
『今家います?』
村「いるけどどーした?」
『ん、じゃあ家行くね』
村「え?!いや、いいけど家わかんの??」
『後藤に聞いた』
村「おう。じゃあ待ってるわ」
『ん。』
んー。
『あー、もしもし?』
し「あら、あなたさんどうされたんですか?」
『なんかしのぶの声が聞きたいなーって。』
し「さっき会ったばっかりじゃないですか、あなたさんは面白い人ですね。…それで?何かあったんですよね?」
『うん。なんかあったよ。明日蝶屋敷行くな。朝早く行くかも。』
し「分かりました。では待ってますね」
『ん。』
意外と近かったな…
ピーンポーン
『村田〜。』
村「今行く〜」
ガチャ
村「ん、上がれよ」
『ありがと。』
『来て急で悪いんだけどさ。風呂借りていい?ああ、ちゃんとバスタオルとか着替えとか持ってきたからな。』
村「まじで急だな。」
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『さんきゅ。』
村「おう…」
『フッ、聞かないんだな?どうしたんだーって。』
村「いや、だってお前が話さないなら無理に聞かない方がいいだろ。」
『まぁーな。でも特別に話してやろう!』
村「元から話すつもりできたんだろ」
『正解。うちの前世の両親さ。さっき鬼に喰われて死んだんだよ。』
村「は…夕陽さんと、、綾香さんが…?」
『そ。鬼の血の匂いもしたから抵抗はしてたんだろうけど…。また、また助けられなかった。』
村「でもお前はっ、」
『ううん。私が蝶屋敷に行ってなかったら。真っ直ぐ家に帰ってれば。間に合ってたかもしれない。』
『お母さんとお父さんは大丈夫だろうって。今世ではずっと一緒にいれるだろうって。安心してたんだ。私の危機管理能力の問題だ。』
村「…それは違うぞ。お前は大っ嫌いなヒーローとその卵がいる雄英に態々護衛で通ってそこな奴らと仲良くして。体育祭にまで出て。人殺しって言われる可能性だってあるのに、それでも世のため人のために動いてるんだ。他の隊士だってそうだろ?危機管理能力の問題じゃない。安心してたせいじゃない。お前のせいじゃない。やれることはやってんだから、自分責めんな。強くあってこそお前なんだ。だから、だから。今は辛いかもしんないけど充分強いから。自信持て?」
『ウ…ごめっ。ごめん、ごめんなさいっ。ありがとっ…グスッ』
村「…柱辞めんのか?」
『…うんっ』
村「そっか。無理強いは出来ない。お前が決めたことだ、隊士辞めるってんなら別だけどな?」
『見苦しいところ見せてすまない。』
村「お前…随分あっさりしてんな。」
『よく言われる』

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