さすがにここまで殺人鬼は来ないと判断して
瞼を閉じようとしたその時
男の人に声を掛けられた
こんな時間に出歩いてるのは諸事情があるんだろうななんて考えながら
睡魔に打ち勝つために大声で返事をした
なんで私の名前を知ってるの?
私はこの人を知らないのに
そうだ、私制服のまま家飛び出してきたんだ
その上学生証落とすなんて
私、めっちゃ恥ずかしいことしてんじゃん
私が学生証を受け取ろうとしたら
男の人がそれをひょいっと上にあげた
なにがしたいんだ?この人は
痛いとこ突かれたなぁ
そういうと
男の人は同情するかのような目をむけてきた
腹立つ
お前に何が分かるんだよ
お前が同情したところで何も変わらないのにッッ
そんな言葉を呑みこんで話を続ける
いや当たり前だろ
初対面だぞ?初対面
聞かないのは普通だからな?
え?
と言って
私の学生証をヒラヒラさせる
もうそれ要らないんだけどね...ㅎㅎㅎ
そして私は見知らぬ人達との同居が決まった
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。