シーンと静まり返った放課後、カチッ.カチッ.とホッチキスの音だけが響く教室。
『はぁ...』
思わずため息が溢れる。
なんで私がこんな事になっているかと言うと、、
_______
「おーい。席につけ!」
先生が声を張り上げながら教室に入ってきた
「えー今から学級委員を決めたいんだがやりたいやつ、いるか?」
シーン...
「いないか?いないなら俺が勝手に決めるけど?」
途端に騒がしくなる教室。
「静かにしろー!もう一度聞くが、やりたいやつ手挙げろ」
「いないんだな?じゃあ...紗倉!」
は、、?今 "さくら" って言ったよね??
このクラスに紗倉は私しかいない。
「紗倉?よろしくな!」
それだけ言って先生は教室から出ていった。
なんで私、、そう思ってため息をついた時
「お前、学級委員なんてついてねーな」
そう言って笑ってるコイツは私の幼馴染の有岡大貴。
『うるさいなあ!』
そう言った時 放送が入った
" 2年2組 紗倉あなたさん、今すぐ職員室松井のところまで "
急いで職員室に向かうと、先生が大量の冊子を私に渡してきた。
「これをホッチキスで止めるの手伝ってくれるか?俺、今から職員会議あるからその間だけでいいから」
『わかりました』
「ありがとな、助かるわ」
先生はクシャって笑って"よろしくな"とだけ言って奥へ消えた
_________
てなワケで私はさっきからずっと作業してるけど、まだ半分以上残っている。
ふと時計を見ると5時半を指していた。
ガラガラ
扉が開く音と共に先生が姿を現した。
「お疲れさん!どうだ?進んだか?」
『まだ半分ぐらいしか...』
「そうか、ありがとな!もう遅いし後は俺がやっとくから、お前は帰れ」
『はい、お願いします』
そう言って荷物を整理して教室を出る。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!