第8話

8.
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2018/11/02 14:01
ガラガラ


中に入ろうとした瞬間、入口に置いてあった荷物に気づかず、躓いて派手に転んでしまった




『きゃ!』


いった...


ふと周りを見るとダンボール箱の中身が散乱していた


あーあ、やっちゃった...




「ふっ...どんくさ(笑)」


いきなり頭上から声がしたと思ったら



「ん」


目の前に手が伸びてきた


え、、


訳が分からず固まっていると


「ほら、手」


そう聞こえた瞬間視界が動き目の前に彼の顔が...


『や、やまだ くん?』


「そーだけど?」


だったらなに?と言わんばかりの表情

怒ってるのかな…?


でもせっかく助けてもらったからお礼は言わなきゃね



『あ、有難うございます』


すると山田くんは

ふっと笑っておもしれぇやつと呟いた


え、どういうこと??
訳の分からない私なんてお構い無しに


「ほーら、これはどーすんの?」

なんてイタズラに笑った



彼が指さした先には、、散乱した大量のプリント


『あ...』


私は慌ててそのプリントを片付ける


ちらりと彼の方を見ると壁に寄りかかって見てるだけ

ちょっとぐらい手伝ってくれてもいいのにな…
そう思っていると


「手伝ってほしーの?」


え、なんでわかったの


「お前、顔に出すぎなんだよ」


そう言って彼は壁から身体を離して私の方へと近づいてきた

そして目の前に来たと思ったらいきなり頬を掴んで

「お願いしたら手伝ったげる」

だって。


それにしても近い...

さっきからドキドキが止まらない。

自分でも顔が熱くなってるのが分かるぐらい。



『...』


恥ずかしくて黙っていると

「手伝って欲しくないなら俺帰るけど。」


なんて言うから、もうどうにでもなれって思いで言ったら

『...て、てちゅだってくだしゃい』


頬を掴まれているせいで変な日本語になった


恥ずかしい、恥ずかしすぎるよ...


「ん?聞こえねぇよ」


『聞こえたでひょ?』


そう言った途端


『あ、じゃあ手伝ってやんない』


って出ていこうとするから慌てて彼の腕を掴んで

『手伝ってください!!』


って言ったらよくできましたって笑ってプリントを片付け始めた


ドキン...


大きく心臓が跳ねた。


「何ぼーっとしてんの?俺1人にやらせる気?」

後ろから苛立った声が聞こえた


『あ、ごめんなさい』


そう言って急いで片付け始める

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