次の日、空には昨日の雨が嘘のように青空が広がっていた
「あなたおはよ!」
待ち合わせ場所にはもう彩菜が来ていた
『おはよー!』
いつもは私の方が早いのに、、
『今日、早いね』
って聞けば、まあね って笑う彩菜
「山田くん見るためでしょ!」
あー、そういう事ね(笑)
「そう言えば、なんで傘持ってんの?あなたのじゃないっぽいけど。」
まあそりゃそーだよね
こんな天気なのに傘持ってるって相当変だ
『実はね...』
彩菜に昨日あったことを全部話した。
そしたら彩菜は
「え!それめっちゃやばいじゃん!」
運命だよ、運命!!って私以上に興奮している。
そうこうしてるうちに学校に着いた
下駄箱で上履きに履き替えていると
キャーーー
黄色い悲鳴が聞こえたと思った瞬間
たくさんの女子に囲まれた男の子が見えた。
『あ、』
眠そうな目をしながら彼は彼女達に見向きもしないで教室棟へと消えていった
私はそんな彼の姿を呆然と見送っていた
「...!あなた!」
ふと我に返ると彩菜が不思議そうに私の顔を覗き込んだ
「どうしたの?ぼーっとして」
『彩菜...あの人だ』
「え?もしかして...昨日の?」
『うん』
「ええええええええええええ!」
そう、確かに昨日傘を貸してくれた男の子はさっきの彼だった
「たぶん、さっきのが山田くんだよ!!」
これは山田くんに近づくチャンスじゃん!って妙に張り切ってる彩菜
そんな事言ったって、あんなに女子に囲まれてるのに近づくなんて無理だよ…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。