第98話

✈️:嘘
4,169
2021/09/01 03:32


泣いてるような声で、俺の事引き止めるくせにさ

あなたは何で

俺だけに愛されてくれないの



あなた「ただいま!」



碧「おかえり」



ギュッ



碧「この香水の匂い俺嫌いだわ」



居なくならないでとすがるくせに

その首筋の跡は誰のもの?

どんな風に可愛がれたの?

今から同じように触れようか?


君からの連絡を待つ夜は、思ったより苦しくて

もう耐えられそうにないな

疲れた

君からの大好きを求めれば胸が張り裂けてしまう



あなた「すかい!会いたかった!」



あなた「待った?」



碧「ううん、今来たとこ」



あなた「良かった!」



俺を見つけると嬉しそうに笑って

駆け寄るあなたを思い出すんだ

今も
碧「あなた、会いたい」



あなた「ごめん無理」



碧「何で?」



あなた「今から約束してるの」



碧「分かった」



あなたにとって俺は要らなくなったんでしょ

前は会いたいって言ったら一緒に居てくれたのに

今は、他の男へ可愛がられに行く

俺が可愛がってあげるのに


あなた「別れたい」



君の嘘には全部騙されてあげるのに

珍しく本当に言った言葉が別れたいなんてあんまりだ

君の嘘には全部騙されてあげるから

早く言って

俺の事が好きだって

君のお得意の嘘でいいから


あなた「じゃ、バイバイ」



碧「待ってよ」



あなた「ごめん、待てないよ」



碧「別れたくない」



あなた「もう、疲れた」



碧「何でだよ…」



あなた「さよなら」



さよならの言葉が刺さって痛い

あなたの目に俺が映ることは無くて

後ろ姿が遠ざかっていく




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