いつからだろう

わかっているのに、気づかないふりを

するようになったのは

いつからだろう




景「あなた」



あなた「ん？」



景「ハグ」



あなた「うん、いいよ」




景瑚から

お酒と一緒に甘い香りがするようになったのは




景「空なんか見て、どうしたの」



あなた「ううん、なんでもないよ」




いつからだろう

景瑚の隣にいることが苦しくなったのは



店員「こちらのサンダルはいかがでしょうか」




可愛いかも…



あなた「ねぇ景瑚、これどうかな」




景「んー？」



あ、スマホ触ってる



景「いいんじゃない？」



この前、

一緒に買ったキャメルのワンピースとか合いそう



あなた「…そうだね」

あなた「うわ、雨降ってる」



傘持ってないのに



景「あなた、走ろ」



あなた「え？」



雨の中2人で家まで走った

久しぶりに繋いだ手は、相変わらず大きかった











馬鹿だなぁ、景瑚

私、キャメルのワンピースなんて持ってないよ

LINE

はぁ、今日もまた、許しちゃった

流石に買いすぎたかな

でも、どれも可愛かったし誕プレも買えたし

気に入ってくれるといいな、

あなた「あれ、？景瑚…」



景「今日もありがと、気をつけろよ」



女「うん、またね」




景瑚の隣には、

キャメルのワンピースを着た女の人




景「ただいまー」



あれ、いないのかな？



景「あなた？」



ドンッ



景「どうしたの、あなた」



景瑚の首を絞める

だって、もう辛いのよ

あなたの隣にいるのが、でも離れられないの

だから、景瑚が死ねば、殺せば

もう、会えなくなるでしょ？




あなた「景瑚、あたしの事好き？」



景「っ！…ちゃんと好きだよ」




死んで

シンデレラボーイ0時を回って

腕の中であたしを泣かせないで






あなた「ハッ！」




夢か…

私が景瑚を殺せるはずないもんね




あ、景瑚帰ってる

あなた「あ、」



今日も景瑚の首には赤い花が咲いてるの

０時を回ると

見慣れたはずのその背中が

なんだか、知らない男の人に見えて

気持ち悪かった

あなた「はぁ、はぁ、はぁ、」




彼と買った白いサンダルは

なんだか、私の愛のように重く感じて

上手く走れなかった




私は疲れ果ててその場にしゃがみこむ




あなた「あたしじゃないなら、好きって言わんでよ」




もっと、もっと

遠くに行かないと




彼を好きだという

魔法がとけてしまう前に


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